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よみもの~中等部編
11 ~kaoru

発表会の一週間後
高等部入学祝いだ、と、かのんの家に泊まりがけでパーティ
まだ入学してねぇっての。。。
まあ、いつものごとく入学祝いというのは口実で、大人達は集まって騒ぎたいだけだ

葉末は、春休み中週末は部活の合宿で『入学おめでとう会』に参加できないのに。。。
あとで絶対!拗ねて拗ねて『俺が』そのフォローにまわされる事は必須だったりする
。。。なんかの嫌がらせかよ。。。


大人達はリビングで大騒ぎしているが、
俺とかのんは、部屋で今日届いたという発表会のDVDを観ていた

「もうDVD届いたのか...早いな」

「発表会前には申し込みすませてたしね...
 それに、ゲネ...通し稽古の時に録画して、編集も何もしてないから」

確かに、初めから途中の休憩迄、そして休憩後から最後迄の2トラックのみ。。。
早く手元に届くのはうれしいが、もう少し親切に編集されててもいいんじゃないか、とも思う

かのんはリモコンで早送りをしながら自分達の所を探し出し、次だ、と一時停止させる

「注文枚数分焼けばいいってこと、か...」

「そういうことだ、うん」

ふにゃっと笑って、再生ボタンを押し直した

発表会当日のような感動はないが、それでも『あの日の感動』を思い起こさせるには十分だった

「やっぱりステキよねぇ...ふわふわって浮いてるみたいでしょ?」

かのんが、ふわぁ、と溜め息まじりにそう言う

「そうだな...特に切原の...」
「詩織ちゃん?」

俺が頷くと、かのんは、本当に妖精みたいよね?と、ふにゃふにゃと笑う

「綺麗だったな」

綺麗だった
本当に綺麗だったんだ。。。

あれ、何だ、この沈黙は。。。
ふい、と、顔を横に向けると、かのんが丸い目を俺に向けている
どうやら俺は、つい頭に浮かんだ言葉を口に出していた様だ

「いや、え?あぁ、その...」

俺は焦って。。。
吃る俺にかのんは、ふにゃふにゃと笑顔を向ける

「詩織ちゃん達、キレイだったよね?」

それでもかのんは拗ねたりしない
でも、傷ついてないっていう保証もない
だからって、こういう場面で気の利いた事を言える程、俺は出来た人間でもない
それに。。。

「お化粧、似合ってなかった?」

かのんは笑ってるんだけどちょっとだけ困った、というか、悲しそうと言うか。。。

「ヘンだった?」

そんな顔されて、必殺無言の圧力をかけられちまったら、俺は口を割るほかねぇだろ。。。
っつっても、口は割っても、俺の口はまだ裂けちゃいねぇ
何度も言うが、コイツに面と向かって『キレイだ』なんて、口が裂けても言えねぇ

「まあ、なんだ...それなり、だ...」

なんとも曖昧な表現で、この期におよんでまだ言い逃れをする俺
それでもかのんは、そっか、と、ふにゃっとうれしそうに笑う

「高等部に行ったら...お化粧、しよっかな?」

「ンなコトするヒマががあったら、他にしなきゃいけねぇ事、あるだろうが?
 それに化粧は校則違反だ」

「でもしてる人、結構いるみたいだよね」

本気か?それとも、俺をからかってる?
かのんの表情からは読み取れない
本気なら。。。
もしかのんが化粧をしたいって思ったんなら、俺にそれを止める権利は無い

だけど。。。

「お前はそのままでいい

 それに...」

「それに?」

「テカテカ光った唇なんて、何か気持ち悪ィし...」

お前はそのままで十分だ
それに、俺はどんなお前でも好きなんだから

。。。なんて、言えるはずねぇ

「それに俺の口まで赤くなったら...」

だからふざけてしまう俺を許してくれるか?

「バレちまうぞ?」

真面目な顔でかのんに問えば、きょとん、とする

でも、俺がテレてるなんてのは、お前にはお見通しなんだろ?
クスリ、と笑って、俺の口にその綺麗な指を押し付ける

「バレるも何も、もう誰かさんがバラしちゃったんじゃないの?」


___あのチョコレートの味見...
        結局させてもらえなかったな?

***********
あとがき

春休み編…春休み中におわることができました(笑)
やっとお話が季節に追いついたー♪
予定の一年遅れだけどーorz

今回はガッツリ趣味のお話になってしまったなー。
んで、ガッツリwフラグ立っちゃいましたかねぇ(苦笑)
ですが立海さん家でお話にするかどうか、は…全く未定です(爆)

次章からは高校生編に入ります。
うん!そうだそうだ、めざしているものは【ふわふわきゅんきゅん】
ま、ま、海堂君の誕生日もすぐそこだしね!
今年は間に合わせよう(豆腐並みの決意)
6th April .2014


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あきゅろす。
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