[携帯モード] [URL送信]

よみもの~中等部編
5 ~canon

午後からはゲネプロ
衣装を着ての通し稽古+ビデオ撮り

用意されているお弁当を詩織ちゃん達と食べてから、衣装に着替える

基本的に自分の支度は自分でする。。。んだけど、私はまったく経験が無くて、
結局詩織ちゃんのお母さんに手伝ってもらう
髪の毛は言われた通り、朝、お母さんにフレンチバンに結ってもらっていたので、
そこにバランスよく白いお花の飾りをピンでとめてもらった
わー。。。ステキ。。。
そしてなんとなんと!
今日は私も詩織ちゃんとお揃いの白いふわふわの妖精の衣装を着るのです!

以前コンクール用に作ってもらった水色のロングドレスを着る予定だったけど、
詩織ちゃんのお母さんが私にも綺麗な衣装を作ってくださったの
もちろん私のはスカートは長めだし、中にサテンが一枚入ってて、透け感もふわふわ感も詩織ちゃんのものとは違うんだけど。。。
でも、ぱっと見た目はお揃い♪
お母さんも、このドレスならピアノのコンクールにも使えるわね、って大喜び

それから、私は詩織ちゃんのお稽古場へ行くのに、サテン地のバレエシューズを買った
先生は普通にスリッパでも、と言ってくださったけど、本番ではスリッパを履かない
だからといって、普通ドレスと一緒に履くヒールの靴は床を傷めそうで。。。

でも、バレエって、トゥシューズで踊るだけじゃないんだ。。。
なんかヒールのついた靴でも踊ってる
どんどんと、床を踏みしめたりするからビックリした
これなら、ヒールのついた靴でも良かったのかも?

でも、もう買っちゃったし。。。
それに、気付いたのよね
バレエシューズって、ピアノ弾く時に履くと、ペダルの踏み具合がなかなかにいい事に

それで、本番、私がバレエシューズを履く事を知った詩織ちゃんのお母さんは、
私のシューズにもリボンを付けてくださって、
トゥシューズみたいに、ばってんにしてリボンを結んでくれたの

更に更に、このままじゃ衣装に負けちゃうから、って、詩織ちゃんのお母さんがメイクをしてくれた
もちろん、薄く、だけど、初フルメイクの私はドキドキしてしまって、ヘンな所で緊張してしまう
マスカラって、目が重い。。。って、うーーー、となってる私の横で、
詩織ちゃんは、扇子か!?ってくらいびっしりはえたつけまつげ。。。すご。。。

そうこうするうちに、先生が楽屋へみんなの様子を見にいらっしゃった
みんなに一言二言ずつお声をかけて。。。
あら、これなら奏音ちゃんもバレリーナに見えるわね?って、言ってくださって、
なんだかうれしくなったりして
うん、私って本当に単純にできてる

「奏音ちゃんって、スタイルいいよね?」

隣で詩織ちゃんは鏡をのぞきながら、チークを入れてる
すごいな、メイクも自分でするんだ
それもかなり特殊なカンジの。。。

「え?これって、スタイルいいって言うの?
 ひょろひょろ縦に長いばっかりで、凹凸ないよ?」

「だからいいの!」

そう言われて、あらためてまわりをみわたせば。。。
皆さん。。。ガリヒョロペッタンコ。。。の上、ガリマッチョ。。。

「あーーー、今『板』って思ったでしょ?」

あきらかに不機嫌声
ちら、と横目でみると、詩織ちゃんは目を据わらせてる

「え?あ?あーーー...はは、ゴメンね」

でも詩織ちゃんはすぐにぷぷっと吹き出して、私の髪飾りをちょいちょい、と、なおしてくれた

[*前へ][次へ#]

5/15ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!