よみもの~中等部編
3 ~kaoru
発表会に出演するかのんはともかく、その日が近づくに連れて、何故か母さんがそわそわしだした
何を着ていこうかしら、とか、智子さん達とのお食事、何がいいかしら、とか、
軽食の差し入れは必要かしら、とか。。。
まったく、発表会の内容とは関係ない所で、母さんは盛り上がっている
発表会の前日
気になって気になってしょうがない母さんは、テンションマックス、と言う感じで、
明日の事、智子さんに電話してきいてみましょ♪と、夕食の片付けがおわってから、電話をかけ始めた
俺はウエイトするから、と、自分の部屋に戻り、
さて、と、ベンチに腰を下ろした時、メール着信音がちゃりん、と鳴った
外野のクセに、盛り上がっているヤツがもう一人。。。
切原からのメールだ
To;あしたなんじにいく?
何だよ、この小学校低学年並みの文章
漢字ぐらい使えねぇのかよ
俺は、はぁ、と溜め息をついて、5時半には会場にいるはずだ、と、返信をする
そのメールを送ってすぐに、切原は電話をかけてきた
(お前一人でいくのか?)
「いや、俺の親とアイツの親と...」
(そっか...俺、一緒にいてもいいか?)
「はぁ?何で?
別に...一緒にいりゃいいだろ?」
(マジで!?んじゃ、明日なっ!!)
。。。何だったんだ?
U−17の合宿所にいた時も思ったが、
切原は前後の会話関係無しに、ガーっと自分の言いたい事を言って、勝手に完結する
俺は切原のひとなつっこい笑顔を思い出す
テニスをしてないときの切原は、ただのクラスのお調子者キャラ、だろう、きっと
ま、なんでもいいけど。。。
確かにそれだと、ストレス溜まんねぇよな
いや、だからって俺がいつもストレス溜めてるか、っていうと、そうじゃねぇ
逆に切原みたいになれ、って言われる方が、よっぽどストレスだ
俺は手の中のケイタイをみつめた
かのん。。。に、電話、してみるか?
メール?
もしかしたら今、練習してるかもしれないな
邪魔したら悪いな。。。
明日、どんなかのんが観られるんだろう
どんなピアノを聴かせてくれるんだろう
いつもいい意味で期待を裏切ってくれるヤツだからな
気がつくと俺は、ケイタイをみつめながらニヤニヤ笑っていた
まったく、ざまぁねぇな
俺はケイタイをテーブルの上に置き、ウエイトトレーニングをはじめた
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