よみもの~中等部編
1 ~canon
中等部卒業式の後
海堂君のお家に家族でお邪魔したその夜
お酒も入ってご機嫌な大人達とは別に、私達子供グループは、海堂君のお部屋でお茶をのみながら、
今日のお式の事、そして、いっぱい撮った写真をみながらお話をしている
お湯のみをテーブルに置いて、ふぅ、と、はずえクンは溜め息をつく
「かのんちゃん、僕は発表会に行けないんですよ」
「部活?」
はずえクンは、こくん、と頷き、眉をしかめて、残念そうにまた溜め息をついた
「ええ、春期合宿が丁度その日なんですよね
でも、夕方からでしょう?中抜けしようかな」
「葉末、それじゃ、他に示しがつかないだろ?」
ほぉ〜ら、お兄さんの目が鋭くなった
ついでに、声もドスが利いてるよ、カイドークン
「はぁ...」
はずえクンは肩をがっくり落とし、ついでに背中も曲げて大きく溜め息をつく
「レギュラーですもんねぇ?」「レギュラーだろ?」
私と海堂君が同時に『レギュラー』という単語を口にすると、
はずえクンはますますオモシロくない、という感じになって、上目遣いで私と海堂君を交互に見やる
「なんか嫌味に聞こえますけど?」
「いえいえ、そんなことは〜」
「あるでしょ?」
しばらくの沈黙
だけど、はずえクンが、ぷっ、と、吹き出したのを合図に、
私も海堂君も、そして勿論はずえクンも一緒になって笑った
********
春休み編です
本編から流れがズレてるかもしれませんが(苦笑)少し温かいお話が書きたかったので(爆)
脳内お花畑から現実に戻り、絶望中の割に、いい感じに温かいお話になりそう…かな?
13Mar2014
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