よみもの~中等部編
7 ~canon
やっとのことで、海堂君はお団子の中から脱出できたみたい
駆け足、とまではないけど、たたた、と足早に私達の所までやって来た
その顔はとっても不機嫌
「あら、もういいの?」
「何が」
「ゆっくり帰ってきていいのよ?電車で」
「なんだよ、それ」
穂摘ママの嫌味に、海堂君はますます口を尖らせる
でも睨んだりはしないの
やっぱりねぇ、って、私とはずえクンは顔を見合わせて笑う
「ほ〜んと!薫君ってモテるのねぇ?」
お母さんもわざとこう言って海堂君をからかう
「そうですよ?兄さん...
ホラ、まだみんなこっち見てるじゃないですか?
ちゃんとお別れしてきたんですか?」
「知るかよ」
「あーー、青学VIP海堂薫君、冷たいなぁ〜?」
そしてついに私とはずえクンも参戦
だってね、この時を逃して、いつ海堂君にイジワルができる?
今日は4対1、ほら、もう海堂君は降参、でしょう?
「うるせぇんだよ」
口調は乱暴だけど、優しい顔を向けてくれる
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