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よみもの~中等部編
3 ~canon

卒業式の朝
教室に入ると、それぞれの机に生花の小さなコサージュがおいてあった
それを胸に着けていると、由香ちゃんが桃城君と一緒に教室に入ってきた

「カノン、おはよっ」
「よぉっ!」

「由香ちゃん、桃城君、おはよう」

少しだけ注目を集めたかもしれない
だけど、顔を上げた人もいるけど、別にそれ以上気にする様子も無く、
直ぐにコサージュを着けたりそれぞれにおしゃべりをはじめた

「ね、今日は式の後、どうするの?」

「うん...海堂君...」

「みんなでランチ?」

「うん」

こう言えば由香ちゃんは、家族同士で食事に行くって勘違いしてくれる
本当は違う
本当は海堂君のお家で卒業パーティ

「由香ちゃんはどうするの?」

「うん、まっすぐ家に帰るよ?」

「そっか」

誤摩化してまで。。。そうまでして、海堂君との事を隠したい?

誤摩化す?

隠す?
何を?

何も隠すものなんてないもの

誤摩化す必要も

ただ

余計な事は知られたくない。。。それだけ、よ

「デートに誘ってもこれだぜ?」

「私はヒマじゃないのっ!」

由香ちゃんと桃城君の軽口の叩き合いを笑いながら見てる私
だけど、その私とは別の私が頭の中にいる

周りの雰囲気に合わせて表情を作る自分を、冷めた目で見る自分
今の私、まわりからはどう見えてるんだろう、って、冷静に考える自分

だって私、気付いた
『素』のままじゃダメだって
ちゃんと考えて行動をしないと、足下を掬われる
今までイヤって程、経験してきた

もうあんなヘマはしない

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