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よみもの~中等部編
2 ~canon

授業が終わってから、私はレッスン
海堂君は部活に参加。。。だけど、部活に行く前に私を音楽室まで送ってくれる

それも今日が最後、ね。。。


私はもた、もた、と階段を上り、海堂君は斜め上をぼーっと眺めてる

「卒業...っつっても...何か実感がわかねぇな」

あ、違った。。。
考え事してたんだね、ごめん

「ホントだねぇ...
 去年も一昨年も、先輩達の卒業式みてそう思ったけど、
 自分が卒業生になってみると、なおさら、よね?」

「だな」

ぽん、と、私の頭に手を乗せ、ちょっとだけ不機嫌な顔をする
私に対してじゃないのはわかってる

だって。。。さっきから、ずっと女の子達がついてきている

バレンタインから海堂君はずっとこんなカンジ
誰かの視線を感じると、こんな風に軽いスキンシップをはかる

それがイヤなわけじゃない
海堂君に触れられるのは、イヤじゃない

だけど、海堂君はどうなの?

ムリ。。。してるんじゃないの?

私、うれしい、って、そう思う反面
ホントにこれでいいの?って、迷いもある

きっと私自身が、自分に自信をもてないから
自分を。。。信じるだけの強さがないから
だから海堂君の事を信じきれない

音楽室に着く前に、海堂君は、明日な?と、私の背中にぽん、と手を添える
その声と、背中に感じる暖かさにハッとする

「うん、明日ね?」

私は笑って。。。
そして、階段へ向かう海堂君の背中を、少しだけ振り返り横目で見送る

気持ちを探りあったりしないって、約束したのに
私、なにやってるんだろう。。。

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