よみもの~中等部編
1 ~canon
「明日もう卒業式だよ、はやいよね」
ホームルームが終わって、由香ちゃんがバッグをブンブン振りながら私のトコロまでやってくる
うーむ、その振り回し方は、桃城君にごん!ってする時のと同じ
ちょっと警戒
まあこの3年間、私は一度もバッグをぶつけられた事はないんだけどね
「ほんとーだねぇ
それにしたって、卒業式の前までしっかり授業があるってどーなんだろね?」
私は机の中の教科書やノートをとんとん、と揃えて、バッグにしまう
「ほとんどがそのまま高等部に進学だしね
ま、春休みが普通より長いだけそれっぽいってことで、さ」
「ははっ、それもそうだ」
「あ、お迎え来てるよ?」
由香ちゃんは教室の後ろのドアをちょいちょいと指さした
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