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よみもの~中等部編
3 ~yuka

もうバレンタインはそこの角
学校中がなんだか乙女のピンク色
だけど、私の心はピンク色どころか。。。ドドメ色、だよ、イヤになっちゃうな

いつも通りに桃城君と駅で待ち合わせて登校
そして、いつも通り、玄関でハズエ君がカノンに甘えてる所を発見。。。と

ハズエ君は、由香先輩、と、極上の微笑みってヤツをくれるわけよ
ホントに、同じ顔のくせに、どうしてにぃちゃんとこうも対極だろうね?

「由香先輩、僕にケーキを焼いてくれるんでしょう?」

どっから聞いたのよ、その情報。。。と、つい、と顔をめぐらせると、
桃城君がニヤニヤしてる。。。アンタかよ
まったく。。。おしゃべり男はモテませんよ
なーんて言った所で、この男は学校でも指折りの『モテ男』だったりするから、
やっぱり人による、ってコトなのかもね

「そ〜よ〜、ハズエ君、ブラウニーでいい?
 それとも何かリクエストある?
 ハズエ君すっごくモテるから、
 たっくさんチョコやプレゼント貰うんだよね〜きっと」

「そうなんですか?」

ハズエ君は首を少しだけ傾げて、上目遣いに私の顔を覗き込む
っていうかさ、ハズエ君はいつのまにか私よりもぐ〜んと背が高くなっちゃって、
覗き込んでるわけじゃないんだけど、でも、雰囲気が『覗き込む』カンジでね、うん
それがまた、乙女心をくすぐるというか。。。

「そりゃそうでしょ?
 ほら、お兄さんもそうだったじゃない?
 でも、ハズエ君はもっとモテてるしね!」

「でも僕は由香先輩の手作りケーキと...」

ハズエ君は、少しだけ口を尖らせるけど。。。

「かのんちゃんからチョコレート貰えたら、それで十分だけどな?」

すぐに、にこっと笑って、カノンにおねだりをする

ホント、甘え上手だよキミは
だけど、ソレが危険なの
ほ〜ら、モモシロセンパイが渋い顔をしてるデショ?

「ハズエ...お前、それをオンナノコの前で絶対言うなよ?」

そうそう、只でさえ、キミは青学VIPなのだよ
迂闊な事を言おうもんなら、また大騒ぎになっちゃうんだからね

「どうしてですか?」

くすりと笑うハズエ君に、桃城君は、さっきの渋い顔のまま、もっともらしそうに口を開いた

「それが女心ってやつだ」

女心とか、ち〜っともわかってないクセに、エラそーに何言ってんだか

「なんですか?
 全然理由になってないみたいですけど?」

くすくす笑いがとまらないハズエ君に、桃城君もたじたじ

「コッチ来い!」

桃城君は、口では敵わないもんだから、ついに実力行使
ハズエ君にヘッドロックをかけてるし。。。
まったく残念なセンパイだよ、アンタは

しかしよくできた後輩のハズエ君は、楽しみにしてますね!って、
私とカノンに手をぶんぶん降りながら、桃城君に引き摺られていった

ハズエ君が桃城君に拉致られた後、私とカノンは顔を見合わせて笑う

だけど

注目されてないって言ったら、嘘になる
でも今迄のような、あからさまな嫉妬の目とは違うような気がする

ま、私がそう感じてるだけかもしれないけど。。。

カノンはホッとした表情になってるかな?って、ちらりと様子をみると、
緊張したまま、って感じ
今までのカノンとは雰囲気がちがう?
気にしないって強がってるのとも違う
もちろん、気付いてないわけでもない、よね?

「カノン?」

「なに?」

ホラ、ヘンっ!
いつもなら、あ!とか、え!とかって慌てるくせに、今日はそれがない

「私は予定通りブラウニー焼くけど、カノンは?」

「ちょうどお父さんがブリュッセルから帰ってくるから、
 ベルギーチョコ買ってきてもらうの」

「え〜、ハズエ君と優先輩はともかく、桃城君にはもったいないよ、それっ!!」

「由香ちゃん、ヒドいなー」

へらへら笑うカノンは、カノンであって、カノンじゃない
。。。って、わけわかんないっ

だけど、雰囲気が違う

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