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よみもの~中等部編
3 ~kaoru
すっかり桜の木も、葉だけになり、風は冷たさを含んではいるものの
日差しはグンと強くなり、もうすぐ4月も終わる
入学して一週間はレクリエーションのみで、本格的に授業がはじまったのは2週目以降
まだ授業も小学校の延長という感じで、全く問題はない
だが、通学時間を含めて、体が時間についていっていないようで、未だにとまどっている
それに、そろそろ疲れの出てくる時期でもあるようだ
加えて俺は、仮入部とはいえ、テニス部の朝練から参加していたし
午後の授業は、すでに疲れてしまって、ぼぅっとしてしまった

「海堂君」

。。。。え? あ?

先生がもう一度、俺の名前を呼ぶ
あ、ヤバい、聞いてなかった
ちょっとドキドキして席を立つと、視界の右端に隣の席の菊池さんが、
指でとんとん、と、教科書をつつくのが見えた
あぁ、教えてくれてるんだ、助かった。。
指定された箇所を無事に読み終えると、ほぅっと、気が抜ける
席に付き際、がたん、と、椅子をならしながらお礼を言った
その時、彼女の様子がおかしいことに気付く
なんだろう、さっきと顔色が変わって。。。冷や汗をかいているようだ
なんで急に?

「あ、あの?大丈夫?」

「.....」
口からは、声にならない程の、かすれた音がもれ
彼女は泣きそうな表情で俯いている

明らかに変だ
「あの?大丈夫??」
そういい終えないかのうちに、彼女は震えだした
「保健室にいく?」
彼女は答えない、ただただ、うつむいて震えているだけ
俺は、迷ったけど、あまりにも普通ではない彼女を放っておけるでもなく。。。

「先生、菊池さんが具合が悪そうなので、保健室に連れて行ってあげてもいいですか?」

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あきゅろす。
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