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よみもの~中等部編
3

ショッピングセンターは年末年始の為の買い物客で、もの凄い混み様だった
だが、すんなりと駐車スペースはみつかり、ラッキーラッキー♪と、おばさんは上機嫌だ

「まぁ〜、奏音ちゃんが言ってた事ってホントなのねぇ」

。。。と、おばさんは、感心する。。。って、何に?
俺は声に出してはないが、おばさんは俺の顔色を読んでか、しれ〜っと言う

「薫君って幸せを運ぶ使者って言ってたのよ〜
 なんか、ホラ、奏音ちゃんのお気に入りの先輩との遭遇率が上がるとかナントカ、って」

それはいつのハナシだ?

「他にもナントカっていってたけど...忘れちゃったわ、ははっ」

おばさん。。。
こういうこだわらない所がかのんそっくり
というか、かのんがおばさんに似たんだよな、ぜったい!!


それにしたって、もの凄い量の買い物
わさわさと詰め込まれる品々。。。
俺とおばさんと買い物カートを一人一台ずつ押していたのに、どちらのカートも山盛り
どこの母親も一緒、ってヤツか。。。どうすんだよ、買い過ぎじゃねぇのか!?


欲しいものも奪い合う事もなくゲットして、予定よりも早く買い物が済んだ。。。らしい
車に荷物を詰め込むと、おばさんは

「折角薫君とデートだもんっ♪
 お茶でもして帰りましょーよ、ね?」

イヤ、怪我してる娘は放っておいていいのかよ。。。

「ああ、奏音ちゃんだったら、ずーっとピアノ弾いてるからほっといても大丈夫大丈夫」

。。。って、おばさんも、桃城と同じで俺の頭の中が読めるらしい。。。

ショッピングセンター内にあるケーキ屋で、おやつを食べ終わり、
おばさんが、お土産のケーキ買って帰りましょうね?どれにする?
と、俺に尋ねる
うん、やっぱり、母親なんだよな。。。娘の為に買って帰ろうだなんて。。。

「薫君の好きなのでいいわよ?
 後でもう一回、おうちカフェしましょ?」

「え?...でも...」

「あぁ、奏音ちゃんは、何買ってっても文句言わずに食べるからね
 うん、あの子の事は気にしなくていいからっ、はははっ」

俺が甘かった。。。娘の為じゃねぇ。。。
おばさんは俺と一緒に『おうちカフェ』とやらがしたいだけ、だ。。。

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