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よみもの~中等部編
2

30日

朝から俺は、おばさんに『貸出し』されてしまい、
かのんの退院からずっとつきそって、かのんの家にいる事になった
俺の仕事は、いわゆる力仕事、だ
荷物持ち、とか、車の乗り降りでかのんを抱えたり、とか
別にイヤじゃねぇ、っていうか、むしろ、すすんでしたい
べ。。。別に変な下心がある、ってわけじゃねぇぞ
そりゃあ。。。少し、は。。。ある。。。かも、しんねぇけど。。。
けど。。。俺は俺のできる事をするだけ、だ
ヘンな言い訳を頭ん中で繰り返してる俺
なんなんだよ。。。まったく。。。

家についたらついたで、まだまだ仕事はある

俺の家族を迎える準備だ
忍者部屋の家具の配置を換えたり、ソファをベッドにしたり
俺と葉末の布団の用意もする
天気も良さそうだし、屋上のサンルームへ布団を持って上がって少しでも干しておこう

そしてそこで見つけてしまった。。。
べ。。。べつに!!見たいわけじゃねぇ。。。
たまたま、だ!!
たまたま、目に入っただけだ。。。
その。。。なんだ。。。ピンクのヒラヒラが。。。
そりゃ、ここなら、洗濯物もよく乾くし?
俺だってココに洗濯物を干しにきた事だって何度もあるしな
それに明日のこの時間には、俺の下着だってここにぶら下がってるだろうし、
そんなの、当たり前。。。って、また、変な言い訳

とにかく、だ。。。
おじさんは大晦日の昼すぎにしか帰ってこないし、
かのんはこんな、だし、
家では『別に薫がいてもいなくても困らないから』。。。って。。。
なんか。。。俺って。。。
と、とにかく、だ!
ただ、遊びにきてるんじゃねぇ
俺には俺の仕事がある、って事だ、うん、そうだ。。。

それにしても、なんでこう。。。その。。。なんだ。。。
このヒラヒラは、なんで俺の目に入ってくるんだ?
俺は必死に目をそらしてるって言うのに

「薫く〜んっ!食事の買い出し行くけど、もう出れるぅ?」

あ、おばさんが呼んでる


俺は上着を取り、留守番のかのんをレッスン室へ連れて行く
ピアノの椅子に座らせると、ありがとう、と、顔を上げる

「一人で大丈夫か?」
「うん」

ふにゃっと笑うその唇に軽く触れて。。。


「薫くぅ〜んっ!!!」


外から呼ぶおばさんの声に、びくっとして姿勢を正す俺

「いってらっしゃい」
「おぅ」

ふにゃふにゃと笑うかのんの額にもう一度口付けた

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