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よみもの~中等部編
3 ~canon

手術も無事すみ、夕方には病室に戻って来れた

ただ、麻酔のせいで、吐き気がする
でもいくら吐き気がしても、空腹感は襲ってくるわけで。。。
どんだけ食いしんぼなのよ、私って

7時頃、やっとお許しが出て、
ゼリーと流動食の中間みたいな、中途半端なものを食べる事ができた
けど、それで足りるはずはないのよね。。。おなかすいた。。。
そりゃそうよ。。。
私にとって、24時間ぶりのお食事が。。。コレ
いくらのどの渇きを抑える薬だの空腹感を和らげるだのを、
血管にいれられたって、実際胃の中は空っぽなんだから、お腹はすくのよっ!
キモチの問題っ!!いやっ、ちがう、だって、胃の中空っぽよ!?
こんな薬で誤摩化せるはずないっ、むきーーーっ!!

7時半頃、練習を終えた海堂君が、お見舞いにきてくれた
約束通り、プリンを持って
「薫君、すまないね?夕食はとったの?」
お父さんがそう尋ねると、いえ、と海堂君は首を振る

お母さんはお茶をいれながら、
自分達の夕食用に、と買った太巻きをお皿にとりわけた
海堂君は、すみません、と言って、もそもそと口に運ぶ
「練習大変ね?」
お母さんがそう言うと、いえ、とまた言って、箸をすすめる

じぃっと、海堂君が食べるのをみてると、それに気付いた海堂君は笑い出した

「何だよその、物欲しそうな顔」

お父さんもお母さんも、大笑いをはじめる

「奏音ちゃんね、まだ、ちゃんとした固形物が食べられないのよ
 それでさっきも、ブーブー文句足れて、お父さんがヨーグルトを買いにいこうか、
 って言ってた所に、薫君がプリンをもってきてくれたの」
「本当にね!
 正直、助かったな〜なんて、おもったから、ね?」

海堂君からのお見舞いのプリン。。。の2個目を、ほくほくと食べていると
海堂君は、よく食うな?と、また笑う
私は、だっておいしいもん!と口を尖らせる
じぃっと睨む私の顔を、ふわっと笑ったままみつめてくれる
そう
いつも海堂君は優しい顔をしていてくれた
それなのに素直になれなかった自分
そのことが海堂君を辛くさせていたなんて、露にも思わなかった

これからは素直になろう、と、思う
海堂君の為だけじゃなく、自分の為にも

素直になれる様、努力をしようと。。。


面会時間が終わると、お父さんは海堂君を家まで送っていく、と言ったけど、
海堂君は、大丈夫です、ここから家までは電車も便利ですから、と、遠慮した

「また、明日も来る」

そう言って、少しだけ笑ってくれる
お父さん達に、おやすみなさい、と言って部屋をあとにする

お母さん達の手前、今日は指先に触れる事もできなかったけど、
それでも、海堂君にあえただけでうれしかった

その『うれしい』という気持ちを、
どうすれば『素直に』海堂君に伝える事ができるだろう?


ねぇ?どうしたらいい?

**********
経過報告 13.05.28
やっとアップする気になりました、ユレルキモチ5(苦笑)
底抜けに幸せで明るいものを目指してるのに…なぜこうなる!?全然違う〜〜〜っorz
これまでの turbulence まとめ…になるか!?(いや、そうなってくれよ←心の声)


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あきゅろす。
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