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よみもの~中等部編
19 ~takeshi

カノンちゃんがまた怪我をした、というニュースは、
その日の昼前には、学校中でウワサとなってにぎわせていた

たかだか生徒一人が怪我をしたくらいじゃ、こんな大騒ぎにはならない


  海堂とハズエがからんでいる


コレが生徒達の一番の関心事だった


2、3時間目の長めの休憩に、海堂の教室に顔を出すと、
「今日アイツきてねぇぞ?」
なんて言われてしまう始末

1組のユカちゃんは。。。
3時間目は体育、か。。。ちょっと行くのはマズいな

あとは。。。ハズエ。。。

俺は昼休みか放課後にでも、ハズエを捕まえて様子をきかなきゃな
とりあえず今は。。。
ハラ減ったし、早弁用の、山賊おにぎりでも食おう
早くしねぇと3時間目はじまっちまう


ところがどっこい!ってヤツだ
ユカちゃんが昼休みに、俺を探しにやって来た
コレ、って。。。はじめてだよな!?
だっていつもは、俺がユカちゃんを探しにいくんだぜ?

ミョーに舞い上がってしまってる俺ってナンなんだ一体

俺達は弁当と。。。購買で買い込んだ数々のおかずパンを抱えて
解放されている屋上へ向かった

。。。寒い。。。ちょっと後悔

びょーっ!と、風が吹き上げる

。。。激しく後悔。。。

「きゃっ」

小さなユカちゃんの悲鳴に、スカートひらり


。。。うん、ヨカッタ、屋上に来て


俺達は風通しの『悪そう』な、でも、一応日向っぽいトコロを選んで
そこで、弁当をかき込む事にした
『食べる』じゃなくて『急いでかき込む』。。。だって、寒ぃんだよ
寒い〜と、文句を垂れつつ、さっさとハラを満たしたら
やっと本題、ってこったな!
。。。にしても、よぉ。。。
二人で、肩くっつけて、身体を縮めている俺とユカちゃん
うん、こういいカンジに寄り添ってよ。。。
恋人同士みたいでいいじゃねぇか、と、一人ほくそ笑む

「カノンちゃん、また?」

「うん」

「それで」「でねっ」

。。。あ。。。

「海堂?」

「うん、それとハズエ君」

ユカちゃんは、クラスメートがみていたというハナシを教えてくれた

カノンちゃんが玄関でコケたこと
まずハズエが、カノンちゃんを助け起こしたこと
周りから、ヤジがとばされたこと

そして

海堂がヤジを飛ばしてたヤツらに一喝して
カノンちゃんを抱き上げて保健室に連れて行ったらしいということ


そしてここからは『ウワサ』だ

その後ハズエは、教室に入ってからも不機嫌でいたらしい

海堂は授業には一切出ていない。。。が、
何人もの生徒が、海堂が登校する生徒とは逆の方向へ歩いていったのを目撃している。。。らしい


「だから...
 前の時の事もあるし、海堂君はカノンの付き添いをしたんじゃないかって...
 でも、それなら、担任なり、保健の先生なりと一緒に病院に行ってるよね?
 なんで一人で帰っちゃったのかな?」

「やっぱ病院に行ったんじゃねぇか?」

「一人で?」

。。。うん、学校をサボって。。。?
海堂の性格からすれば、学校をサボるようなことはしない、はず?
わけわかんねぇ

「海堂のケイタイに...連絡してみるか?」
「校則破って?」
ユカちゃんは、にっ!とからかうように笑う
「非常事態だ!
 それに...授業中にならさなきゃ、誰も気にしねぇだろ?」
「そりゃそうだっ」

早速俺はケイタイを鳴らしてみたが。。。
電源はいってねぇしっ!!
学校から出たら、直ぐに電源くらい入れろよバカマムシっ
俺もユカちゃんも、マムシの野郎をクソミソに貶し上げ、
ぎゃははははっ!と
「海堂君だしねーーーーーっ」
。。。と、笑い話になるトコロまで、落ち着いた

「とりあえず、メール送っとけば、気がついたら連絡くれるだろ」
俺がケイタイをいじり出すと、
ユカちゃんは、俺のケイタイを覗き込むのに夢中で。。。
当たってるよ、あったってる。。。
その、なんだ。。。結構な。。。ボリュームが
こう、むにょっ。。。って。。。
今はそんなコトを妄想。。。
じゃなくて、あー。。。気にしてる場合じゃねぇっ

「あ...あとは...ハズエだな...
 今日は部活ない日だし、俺、放課後にでも捕まえてみるよ」

慌てる俺とは反対に、ユカちゃんはなーんにも気付いてねぇ
いや、気付かれたら困る、ってか、ちょっとマズくね?

「私も...あーー...うん、まかせたねっ?」

それにしても鋭いよなぁ、ユカちゃんは

きっと気付いてるんだろ?
ハズエの事

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あきゅろす。
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