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よみもの~中等部編
13 ~canon

なんだろう、とても力強くて。。。暖かい
このまま、身を委ねていたくなるような、そんな、安心感

頭の中に響く
知ってる、海堂君の。。。声?
優しく響くのに、頭の中でもやもやしてる

何て言ってるの?

私の事笑ってるの?

私は海堂君に抱かれてる?

私の事、みっともない、って言ったのに?
また、こうやって私に期待をさせるの?
そうして、笑うの?

もう、やめて?
もう、やめてよ。。。

「海堂君...私、自分で歩くから...はなして...」

ずぐずぐする痛みと、混沌とする意識
その奥から、やっと言葉をつまみ出し、
やっと動かせた手で、海堂君を拒否する

「歩けそうだと思ったら、こんな事するかよ、バカが...」

海堂君が私の耳元でくすりと笑ったのがわかった
でもそれは、とても甘い響きで耳をくすぐる
どうして?
わかってるのに、まだ私、海堂君に期待してしまう

「葉末、かのんの荷物、持ってきてくれるか?
 保健室でいいな?」

海堂君の腕にぎゅっと力が入った

本当に優しい声。。。そして安心できる
ずっと待ってた、ずっと聴きたかった
なんでこんなに好きなんだろうね?
イヤそうな顔されて
避けられて
嫌われてるってわかってるのに
それなのに
まだ期待する


ざわざわと、周りの声が煩わしい


またイロイロ言われちゃうんだね
ごめんね?
みんなわかってるから、ね?私が悪いんだって

だから

何か言われても、私のせいにしていいから

だから。。。今は、助けてください

もう、今更、何を言われても。。。私はいい
どんなにヒドい事を言われても仕方がないもの
だって、全部私が悪いんだから

でも今は、あなたの腕に抱かれている
それだけで、うれしいんです

今はその気持ちだけに浸っていても、いいですか?

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