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よみもの~中等部編
10 ~canon

ばたばたと足音
ぐずぐずとケイタイの音
そして優しい声が
暖かいものが。。。私に触れる

「かのんちゃん?」

私、笑わなきゃ、ね?

「はずえクン」

もう意味がないってわかってても、
身についた習慣は変えられない
私、笑わなきゃ。。。

「かのんちゃん、どうしたんですか?」

「忘れ物をとりにきて...アレ?なんか、寝ちゃってたのかな?」

こんな見え透いた嘘をついて、なんでもないと、笑ってみせる

「大丈夫ですか?立てますか?」

優しい顔
海堂君とそっくりの。。。やさしい、はずえクンの顔

「あ、うん、大丈夫...ありがとう、はずえクン」

支えてくれる手は、誰でも良かった

強くなろう、一人で立ちたい
そう言いながら、
それでも誰かに支えてもらわなければ、
顔を上げる事すらできない


「ねえ、かのんちゃん...」


大切な人に迷惑をかけたくない

そういいながら
一番大切な人に、一番辛いものを背負わせていた


「かのんちゃん、僕は...」


差し伸べられた手


「大丈夫ですよ?僕は何を言われても
 だから...だから、気にしないでくださいね?」


一人でがんばるって、そういいながら

まだ私
支えてくれる手にしがみつく


はずえクンの手に


私、やっぱりダメだよ


海堂君。。。私、やっぱり


だめ、だよ。。。

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あきゅろす。
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