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よみもの~中等部編
7 ~canon

第2音楽室で瑞希ちゃんのレッスンを見学する私

瑞希ちゃんは、私とも優先輩とも違う
決してレベルが低いとか、ヘタ、というわけじゃない
でも。。。演奏者向きじゃない。。。
私が見学しているだけで、こんなにガチガチになってしまう
それはそれで、気の毒になるけど。。。
岩崎先生がこっそりと私に瑞希ちゃんの見学を『お願い』をしたから、
出て行く訳にも行かない
岩崎先生もわかってる
この『あがり性』を克服しなきゃいけない、って
いままで、コンクールに出場しなかった理由もわかる

もちろん、演奏者を目指してないからといって、
岩崎先生のレッスンを受けられない訳じゃない
多分瑞希ちゃん本人にもわかってる、演奏者向きじゃないって
以前、自分は岩崎先生みたいなピアノの先生になりたいんだ、って、
そう言ってたこともあった

それも一つの『目指す道』だ

でも、演奏者を目指していないからといって、
このままの状態でいいはずがない
だって、先生になるにしても、勉強を続ける上で、
人前で演奏をする事は避けられないから
入試だって、試験だって。。。
普段どんなにいい演奏ができたとしても、
その時に力を出せないんじゃ意味がない

それを先生はわかってらっしゃるから、
こうやって、私に瑞希ちゃんのレッスンを見学させてるんだと思う

たいてい瑞希ちゃんは自分のレッスンの後、
私や優先輩のレッスンの見学を申し出る
決して私の事を疎ましく思ってる訳じゃない
もしそうなら、自分が終わればさっさとかえるはず
それに、ただ聴くだけじゃなくて、レッスンの内容を持参した楽譜に書き込む
注意事項や、練習方法。。。
これだけでも、真剣に指導者になる事を目指してるのがわかる

ちゃんと自分の目標を立てて、がんばってる

そう。。。
みんな『自分のため』に、がんばってる


私だって。。。そうでしょう?
そうしていれば
こんなコトにはならなかった

誰も傷つかずにすんだ

どこまでも愚かな自分を許せない

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あきゅろす。
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