よみもの~中等部編
4 ~canon
もうすぐ10月も終わる
リハビリも、週2回になった
足の固定具も、サポータータイプになって、
そこまで、大袈裟なものじゃなくなった
杖がなくても歩けるけど、
用心の為に、外ではまだ使いなさいといわれてる
それに、まだ左足には怖くて力をかけられない
だからつい杖に頼ってしまう
11月は今季最後のコンクール
もう、周りに認めて欲しいとか、そういう欲もなくなった
だって、認めてもらったって
海堂君はもう側にいてくれない
最初から、自分の為だけにがんばれば良かった
バカな欲を出さなければ
もっと違っていたのかな?
もうどうだっていい
なにもかもが遅すぎる
ただ私はピアノを弾く
だって
私にはピアノしか残ってないから
もうそれしかないから
私にできる事は
素直に。。。素直に。。。
自分の為だけに弾いたピアノは
『第一位』という
ちゃんと眼に見えるカタチで手に入れた
よろこばなきゃ
私
眼に見えるものを欲していたじゃない?
ほら
手に、入れた。。。
欲しかったもの。。。
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