よみもの~中等部編 1 ~hazue かのんちゃんは怪我をした翌々週の土曜の午後に退院をした 僕は部活が終わってから、母さんと父さんと一緒に病院へ訪れた その日はかのんちゃんのお父さんもお休みで、 病院を出てから、6人でささやかな退院祝いと称した食事会をした 2週間ちょっとの入院生活でも、身の回りのものは結構あった 兄さんは、選抜チームの練習があるために来られなかったけど、 かのんちゃんは、がんばってるんですね、とちょっと笑っただけで、 それほど変な態度ではなかった 月曜日 かのんちゃんは、彼女のお父さんとお母さんと一緒に登校した 僕は朝練があったから、会う事はできなかったけど、 由香先輩が職員室からずっとかのんちゃんに付き添っていた、と、 桃城先輩が、僕に教えてくれた そして下校時間に、僕はかのんちゃんのクラスへと顔を出す もちろん一人じゃない、桃城先輩と一緒に。。。 兄さんは。。。 これから放課後は選抜チームの練習所で、トレーニングがあるから、と 先に帰ってしまった でもそれを言うんなら、桃城先輩だって同じだ だけど、桃城先輩は、そんなに急がなくっても間に合うだろ?、と。。。 「かのんちゃん、大丈夫ですか?」 かのんちゃんにそう問うと 「まだ早く歩けないけど、大丈夫です ちゃんと自分で歩いて帰れますから、ね? はずえクンも、部活あるんでしょう?がんばってくださいね?」 そう言ってキミは笑う 本当は兄さんの事が気になってるのかもしれない でも、そんなことはおくびにも出さないで。。。 そう、きっと僕に心配をかけないように、キミは笑うんだね? [*前へ][次へ#] [戻る] |