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よみもの~中等部編
18 ~canon

「は〜い、奏音ちゃん、回診でーす
 ドクターマッキー登場〜〜〜
 ゴメンね、今日、手術入っちゃって、遅くなっちゃった」
担当の牧野先生は、まだ若くて、とても明るくて楽しい
カッコいい、とか、モテ系ではないけど。。。

「おっと、じゃ、俺達、そろそろ...」
桃城君は、自然に由香ちゃんに話しかける
その視線がとてもやさしくて。。。うらやましい、な
「大丈夫だよ?
 ちょっとだけ外で待っててくれたら、すぐ終わるからまだ遊んでっても」
「そーなんスか?んじゃ、由香ちゃん、そーするか?」
海堂君も、いつもこんな優しい顔、してた。。。
それに応えていなかったのは、私
「別にアンタはいなくてもいいから、先に帰っていいよ
 私はカノンといっしょにいるの〜、ね〜〜〜っ?」
「ひっでぇなぁ、由香ちゃん...俺、落ち込むぜ?」
「どうぞお好きにっ」
憎まれ口を叩きながらも、由香ちゃんの顔もやさしい
私にはこんな顔、できなかった。。。

ふふっと、小さく笑う声が聞こえた
その声に顔を向けると、優しく笑うはずえクンがいる
「僕たちも、買い物に行った母さん達待ってますしね
 かのんちゃん、いいですか?」
「うん、私もその方がうれしいから...」
はずえクンの優しさと素直さ、そして明るさに、心が痛んだ

そして、目の端にうつる海堂君の姿に。。。
とてもイヤそうな顔をする海堂君に、もっと心が痛む

情けない。。。
なんでもっと素直になれなかったんだろう
なんで『素直になろう』って、考えなかったんだろう

もう、遅い

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