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よみもの~中等部編
9 ~hazue

病室は、小さいながらも個室だった
かのんちゃんのお母さんは、再度、医師から治療やその他の説明を受けるため、
診察室へと呼ばれた
僕はその間だけでも、と、かのんちゃんのお母さんに、いいですか?と断って、
病室の中で、彼女の目が覚めるのをまっていた

かのんちゃんは眠ったまま。。。まだ麻酔から醒めないんだろうか?
青白い顔、手にはモニターや点滴の管が繋がっている

どうしてかのんちゃんがこんな目にあわなきゃならないんだろう。。。
なぜ、キミだけが。。。

ちいさな声を聞いた気がした
目元が微かにふるえ、ゆっくりとかのんちゃんの目が開く

「...はずえクン?」

弱々しい声
それでも、僕の名前を呼んでくれた事がうれしかった
自分でもうっすらと口の端に笑みが浮かぶのがわかる
「かのんちゃん...」
「どうして?...私...?」
「ここ病院ですよ...階段から落ちて...
 僕、かのんちゃんのお母さん、呼んできますね?」

僕はナースコールのボタンを押し、
かのんちゃんの目が覚めた事を伝え、病室を一旦辞した

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