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よみもの~中等部編
6 ~hazue

教室移動の時、階段で由香先輩に出会った
いつも通り、よ!と、声を掛けてくれる
きびきびとしてて、気持ちがいい
僕の周りの女子にはこういうタイプ、いないよね

そのすぐ後、兄さんが階段を上ってきて、
「あれ?兄さん」
そしてその後ろには。。。
「かのんちゃん」
なんだろう、様子が変だ
「かのんちゃん、どうしたんですか?」
そう僕が言い終わるか終わらないかのタイミングで、
かのんちゃんの身体が、人形のように、くにゃり、と、力なく崩れ、
一瞬のうちに僕の視界から消えた

「かのんっ!?」

兄さんが叫ぶ

よくこういう時、スローモーションを見るようだった、と言うけど
え?と、思った次の瞬間には、
かのんちゃんの身体は、踊り場に横たわっていた
そして兄さんは、ただ彼女の傍らにしゃがみ込んでいた

僕はそこにいた誰ともわからない生徒に、
職員室に先生を呼びにいく様、指示し、
もう一度、かのんちゃんを見る
足が。。。
僕は制服のシャツを脱ぎ、かのんちゃんの足に被せた

その間も、兄さんはただ、惚けたように座っている
「兄さん!!」
僕は兄さんの頬を平手で思いっきり叩く
「兄さん!しっかりしてください!!」
兄さんの口から、乾いた声が漏れると、がくがくと震え出した
そして、彼女の身体に腕をのばす
「動かしちゃダメです!!」

そして、先生がやって来て
すぐに救急車も呼ばれた


こんな兄さんなんて見たことない
いつだってあなたは自信に満ちていて
いつだって僕の憧れだったじゃないですか


兄さん、あなたは何をやってるんです?

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