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よみもの~中等部編
5 ~canon

それから直ぐだった

はずえクンがテニス部へ入部届を出した直後には、
海堂君とはずえクンの事が、ウワサになって校内中をにぎわせていた
不二先輩の弟クンの時と同じ
それでも、はずえクンはそのウワサに対して、まったく無関心だった
無関心、というよりも、自分から肯定してまわっていたそうだ


「おはようございます、かのんちゃん」
はずえクンは屈託なく、私に接する
校内のどこでも
「はずえクン、おはようございます
 朝練ですか?
 まだ仮入部期間なのに、がんばってるんですねぇ」
「ハイ、だって僕は部長の弟ですからね
 兄さんに恥をかかすことなんてできませんから」
はずえクンは、ふふ、っと笑って私の顔を覗き込む
「はずえクンは、がんばりやさんですね...私も応援してますね?」
この素直さが、好ましいと思う
そして、何を言われても動じない強さがうらやましいとも。。。

はずえクンの向こう側に、圧倒的な存在を感じ、目線をあげる
そこにいるだけで目立つ
海堂君の放つ気は、周りの誰とも違う。。。

「おはよう、海堂君」
「おう」

こんなに海堂君は優しく笑ってくれるのに
その笑みにさえ、素直に喜ぶ事のできない自分
びくびくと人目を気にする私
なんて卑屈なんだろう


そしてまた、違う『ウワサ』が流れることになる


わかっていた

こうなるって

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