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よみもの~中等部編
4 ~canon

いつもより一本早い電車にのることができた
電車に乗り込む顔ぶれも、ちょっと違うような気がする
いつもとは違う二人掛けの席
隣に座るのは、海堂君
昨日のように指を絡める事はない
宿題の事やなんでもない学校の事をぽつぽつ、と、小声で話す
だけど、それだけで窮屈な電車の中も、苦ではなくなる
海堂君がいてくれるから。。。

あなたが。。。側にいてくれるだけでいいの

「お前、毎日こうなのか?」
海堂君は、ちょっと不機嫌、というか、ウンザリ、と言う表情
「海堂君もでしょ?」
「いや、俺の乗る路線はここまで混まないから」
「朝練で早いから?」
「普通の時間でも」
むぅっと口を尖らせる
ホラ、やっぱり不機嫌だ
「へぇ、ラッキーだね?」



乗り換えの駅で、人の流れに呑まれる海堂君の手をひっぱる
「お前、すげぇな」
感心したように、嘆息をついた
「慣れ〜...行こうか?」

「お前、顔色悪いけど...」
人ごみから外れた所で、海堂君が心配そうな顔を向けた
「ん?」
「朝から、なんかずっと...」
「海堂君、鋭いな〜」
「体調...」
「ちがうちがう、はじまっちゃっただけ」
「...あ?」
こういう話題にはあまり敏感じゃないらしい海堂君はきょとん、とする
「生理」
その一言で大慌てするのも彼らしい
「遅れてて、ちょっとドキドキしてたんだけど、ヨカッタ♪」
「ごめん」
「は?」
気まずそうに目線をそらされ、気付いた
「えっ!?ちがう、海堂君気にしないで、ごめん、ごめんね?」
いつも通りの海堂君につられて、気が抜けてしまい、
ぽろっと本音をもらしてしまった
バカ!
海堂君が気にするような事を言う自分に呆れると同時に、
怒りと情けなさをおぼえた

「乗り換えの電車、直ぐ来るよ?」
言い訳をすればするほど、海堂君は気にする
だから、笑って。。。何もなかったフリ。。。
「あ...あぁ...かのん...」
「ん?」
「お前...」

海堂君の困った顔なんか見たくない
だから、私が、なんでもないよ、という態度をとるしかない

「うん、大丈夫、今月はすこぶる調子がいいのよ、不思議でしょ〜
 あ、電車来た...やっぱり早いからかな、いつもより空いてるみたい」

こんなの、なんでもないと、笑ってみせるしかない。。。

************
途中経過報告 13.01.03

あけましておめでとうございます
新年、新章はじまりました
装いも新たに!と言いたい所ですが…
前章 turbulence の続きで、引き摺っております〜〜〜
ぼつぼつ、おハナシも動いて行ってくれないと困るんだけどなぁ…


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