[携帯モード] [URL送信]

よみもの~中等部編
4 ~karou

電車に乗ると、運良く、二人並んで座る事ができた
が、乗り換えの駅が近くなるにつれて、もの凄い混み様でそれだけで疲れる
それに起きた時から気になっていた、顔色の悪さが幾分か目立つような気もする。。。

「お前、毎日こうなのか?」
「海堂君もでしょ?」
目をまるくして、不思議そうな顔
「いや、俺の乗る路線はここまで混まないから」
「朝練で早いから?」
「普通の時間でも」
「へぇ、ラッキーだね?」
くすくす笑う
その明るさがわざとらしく見える
そんな一晩で。。。変われるはずがない。。。
でも、笑ってくれるお前にホッとする自分がいる。。。

乗り換えのとき、人ごみにもまれて、一瞬だがかのんを見失い焦った
だが、こっち、と、かのんに手を引っ張られ人の流れから一旦はずれた
「お前、すげぇな」
「慣れ〜」
人の流れが少し緩くなり、行こうか、と、笑う。。。しかし
「お前、顔色悪いけど...」
顔色が悪い上に、手の冷たさが気になった
「ん?」
「朝から、なんかずっと...」
かのんは少し困った顔になって、それでも、フッと息をついて笑う
「海堂君、鋭いな〜」
「体調...」
「ちがうちがう、はじまっちゃっただけ」
「...あ?」
「生理」
慌てる俺の事を、更に笑う
「遅れてて、ちょっとドキドキしてたんだけど、ヨカッタ♪」
遅れて。。。

。。。いくら避妊していたとはいえ、可能性は、まったく『0』ではない
俺の自分勝手な衝動で、困らせ、悩ませる
「ごめん」
「は?
 ...えっ!?ちがう、海堂君気にしないで、ごめん、ごめんね?」
ふっと俯くお前
顔を見なくてもわかる、きっと、困った顔。。。

「乗り換えの電車、直ぐ来るよ?」
「あ...あぁ...」
ふにゃっと笑って。。。また何もなかったフリをするのか?
そうやって、自分だけ我慢して、傷ついて...それで、いいのか?
「かのん...」
「ん?」
「お前...」

本当にいいのか?俺と一緒にいて、本当にいいのか?
そう言ってしまったら
もう後には戻れないような気がする
肯定しても否定しても
そこで、何かが崩れてしまうような、そんな気がする

「うん、大丈夫、今月はすこぶる調子がいいのよ、不思議でしょ〜
 あ、電車来た...やっぱり早いからかな、いつもより空いてるみたい」
ふにゃふにゃと俺に笑いかける
その笑顔は、本心からか?

それとも。。。

いや、本心からだよな?
俺、そう信じていいよな?

[*前へ][次へ#]

5/32ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!