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よみもの~中等部編
16 ~kaoru

ゆっくりと離れていくかのんの後ろ姿
『さよなら』だって?
かのん、お前?

俺は。。。何をしてるんだ?
バカみたいに突っ立って
追わなくてもいいのか?
追う?
追ってどうする?

どうする、だって!?

決まってる、俺は、アイツの事を離したくない
アイツが俺の側からいなくなるなんて考えたくも無い

いやだ、いやだ、いやだっ!

頭ではわかっているのに

それでも、俺の意思とは反対に
体は勝手に、改札を抜け、電車に乗り込む

何だよ。。。何やってるんだよ俺は。。。

車内の暖房の熱のせいで、どっと力が抜ける
体と心
どっちも俺なのに
バラバラの動きをする
それでも
それでも、意識は研ぎすまされ、
ハッキリと答えを形作ってくる


  俺はかのんを離したくない


お前を失う事が、身を切られるより辛い
失ってわかる?
まだ失っちゃいねぇだろ?
俺は失う前からわかっているんだ
絶対お前を離したりはしない
もう一度、あの絶望に身を置くなんて、
考えただけで、ゾッとする

俺はお前がいなけりゃダメなんだよ
お前がどれだけ傷つくことになるとしても
それをわかっていても。。。
勝手だと言うか?
傲慢だと?
言いたければ言えばいい
俺はどれだけ非難されても、お前を離すつもりはない
お前が傷ついて泣くなら、俺だって一緒に泣いてやる
守ってやる事なんて到底無理だ、俺には
だから、一緒に、傷ついて泣いてやる

俺は
何を言われてもいい
何を言われたって、何をされても
俺の気持ちは変わらない

かのんが

例えかのんが俺の事を信じてくれなくても
俺に応えてくれなくても
それでも、俺はお前の事をあきらめたりはしない

それでいい
俺はいつでも、お前に伝え続ける

お前だけだ

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あきゅろす。
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