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よみもの~中等部編
12 ~canon

ちょっとだけ身体をよせる、海堂君が座れるように。。。
それだけで、海堂君はちゃんとわかってくれる
フッと笑って、バッグをおろして私の横に座った
そして、海堂君は私の指先を捕らえ、きゅっと握る

あったかい。。。

でもその暖かさが、また私を迷わせる
そして、期待と不安。。。揺れる心に吐き気がする

  優しくしないで
  優しくして

海堂君。。。何でココにいるの?
私、あきらめようって、海堂君から離れようって
それなのに。。。
こんなにやさしくされて。。。あきらめきれないじゃない
私の決心なんて、所詮、この程度。。。
強くなるどころか、私、どんどん弱くなっていってる
自分で決めた事すら、簡単に投げ出す。。。

これからどうするの。。。?
海堂君、ねぇ。。。私、どうしたらいい?
それすらも、自分で決められない
なんにも自分で答えを見つける事もできない
情けなくてイヤになる
泣くな私。。。泣いちゃダメ。。。

「海堂君も...聴く?」
イヤフォンの片方を渡すと、素直に受け取ってくれた
選んだのはアップテンポの楽しい曲
泣いてしまわないように、自分を励ますつもりで


 ♪お日様の光を責めないで
  お月様の明かりを責めないで
  楽しい時が悪いんじゃない
  弾ける心が止まんないだけだよ


海堂君はとても意外だったみたいで、ぶん!と私に顔を向け、
そのせいで、私の耳につけていた片方が、ぷち、と、引っ張られて抜けた
「あ...すまねぇ...」
そう言って、はずれたイヤフォンをとりあげ、私の手に乗せる
「マイケル...私、好きなの」

好きなの。。。海堂君が。。。


「ホラ、もう着くぞ?荷物ちゃんとまとめろよ」


弾ける心?
揺れる心が。。。気持ちが。。。とめられない



♪Blame It On The Boogie ~The Jacksons /1978 訳;琴音

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