よみもの~中等部編
12 ~kaoru
かのんは、座席シートに少しだけ広がったスカートの裾をただす
俺が座れるように。。。?
隣に座ってもいいんだよな?
しばらく並んで座っていた
ただ指を絡め、無言で。。。
「海堂君も...聴く?」
俺の記憶が正しければ、
あと10分そこらで、かのんの家の最寄り駅に着くはず
イヤフォンの片方を俺に渡し、
かのんは、少しだけ笑って、もう片方を自分の耳に着けなおした
俺もそれに倣う
「.....」
意外だった
思いっきり振り向いてしまって、かのんのイヤフォンがはずれた
「あ...すまねぇ...」
てっきり、ピアノの曲だと思っていたのに、流れてきたのは。。。
「マイケル ジャクソン...私、好きなの」
そう言ってふにゃっと笑う
俺の好きなかのんの顔
だけど、どこかちがう
笑いながらも、何か後ろめたい事でもあるのか、すぐに、目線をそらす
俺は、ずれたイヤフォンをはずして、かのんに渡した
かのんはケイタイをしまい、また俯く
「ホラ、もう着くぞ?荷物ちゃんとまとめろよ」
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