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よみもの~中等部編
6 ~yuka

オイ...あの海堂が...
ね、今、海堂君、菊池さんの事『かのん』って呼びすてにしなかった?
なんかあの海堂がすげぇヤキモチ焼いてたように聞こえなかったか?
聞こえるとかそんなモンじゃないよ〜、あれ、ヤキモチ以外のなにぃ〜?
バレンタインの事といい、この前の一斉下校の時といい...やっぱり?
やっぱこりゃ、昨日今日の仲じゃねぇだろ?
えぇ?でも最近急にじゃない?
今迄一緒にいたトコなんて見たことないよな?
うん、修学旅行のときも、どっちかって言うと、桃城君が一方的だったよね?
あの二人って、どうなってるの?

ざわ、ざわ、ざわ、ざわ、ざわ。。。。

あぁ〜あ。。。
海堂君。。。やっちまったなぁ。。。やっちまったぜ。。。

もーーーっ、なんで、この場面で、にやにや含み笑いしてるのよ、
なんなのよ、この先輩達、緊張感のないっ
「ちょっと、先輩達、なにそんなニヤニヤしてるんですかっ
 かのんも海堂君も、明日から、学校中の注目の的ですよっ!!」
「いいんだよ、この方が」
「何言ってるんですかっ!
 また、カノンがいやがらせされたらどうすんのよっ!!」
あ。。。私も、また敬語が吹き飛んだ。。。一瞬だけど
ちょっとは責任感じなさいよね、先輩達っ

それなのに、不二先輩は、そっか。。。と、ふふふ、と笑い、小さく息をつく
「由香ちゃん...ごめんね?」
ごめんってなに?
それいうなら、カノンに謝りなさいよっ
「由香ちゃんの言う通りだね、でも、逆なんだよ?」
「そうそう、ソレはないから大丈夫だにゃっ?」
「逆って...大丈夫って、なんですか?」
「うん、俺達はね、彼女だから...
 わざとね、こうやって誘いにきてるんだよ」
わけわかんない
「だっから〜〜〜、カノンちゃんが、薫ちゃんのカノジョだからっ」
「もし俺達が、ノーマークのコを誘ったら、それこそ恰好の標的になるだろうね?
 でも、カレシがいて...この場合は海堂だけど...」
そう言って、口の端をゆがめて笑う乾先輩、
やっぱキモメガネないほうが絶対いい。。。じゃなくって!!!
なんで、この人たちは『カノジョ』ってコトバを連発するのよ?
余計に周りを煽ってるんじゃん。。。
「つまり、自分の後輩のカノジョをつれていけば、それなりの理由になるんだよ
 まあ、この場合は、公言しておくっていうのが前提になるんだけどね
 だから、俺達もわざと目立つようにやってるわけ」
「わかんないっ、理由ってなんですかっ!?
 だいたい、あの二人は目立つ事が嫌なんですよ?それなのに...」
それなのに、先輩達がこうやって『わざと目立つように』やってるですって?
そんなの。。。いじめてるようにしか見えないわよっ

「あ、そうか...」
不二先輩の眼が開いた〜〜〜〜
うっわ〜〜〜、かっこい〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
じゃなくって!!!!!
「ね、由香ちゃん、僕のパートナーになってくれないかな?
 モモにはちゃんと言っておくし?」
「はあああぁああぁぁあぁああああぁぁああぁっ?」
ホントに。。。浮かれてる場合じゃなかった。。。
「ねっ?」
「ちょ...っ...ちょっと待ってください、何で!?」
「あれ?イヤかな?」
「そりゃ、うれしいけど...
 じゃなくって!え!?ええぇええぇえっ??」
「じゃ、決まりね」
カミサマ、カミサマ
これは。。。コレはカノンのおこぼれですか?
おこぼれにしちゃ、ちょっと、大量すぎるような気もするんですが。。。

「あれ〜〜〜っ?先輩ら、何してんっスか?」

焼きそばパンを片手に、今日は両隣2軒くらいにしか響かない音量で、
7組の教室に入ってきた、時の人その2の桃城武クン

「海堂がすっっっげーーーツラして、カノンちゃん引っ張って行ったんっスけど、
 何かあったんっスか?」

「ああ、モモ、いい所に来たね
 僕、謝恩会のパートナーに由香ちゃん借りちゃっていいかな?」
「ハァ?」
と、桃城君は、私の顔を伺い、また視線を不二先輩に戻す
「何で俺に聞くんっスか?」
「うん、だって、由香ちゃん、モモのカノジョだから...一応、ね?ふふ」
「はぁ〜!?」
今度は私の番

ざ〜わざ〜わざわ。。。

「ちょっと待ってください!!
 なんで、コレ!!が私のカレシなんですか!?コレ!?
 コレですか!?えぇえええっ!?!?」

「...ユカちゃん...それ、チョー傷つくんだけど...」

「あ...ごめん」
いくらなんでも、指差して『コレ』はないよね、反省
。。。ん?
。。。。ちょっとまて!?
もしかして私、カノンの心配をしてる場合じゃないのかも!?
だって、この状況を詳しく説明してみると。。。
私は桃城君のカノジョで、
不二先輩の謝恩会のパートナーに貸し出された。。。ってことでしょ?
それって、すっごくすっごくキケンじゃんっ!!!

大量のおこぼれには、多少のリスクがもれなくついてくる様です
カミサマ、カミサマ
なんか、罰ゲームのような気がしてきました。。。

『不二先輩を怒鳴りつけた女』認定されて
その上
『桃城武のカノジョ』に誤認されて
こともあろうに
『不二先輩の謝恩会のパートナー』だと!?
。。。去年のカノンの比どころじゃない。。。
私、生きていられるのかしら。。。本気で心配になってきた

『多少のリスク』じゃなくて
『膨大なリスク』ですね
わかります、わかります。。。。。

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あきゅろす。
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