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よみもの~中等部編
2 ~canon

海堂君のお家に着くと、玄関まではずえクンがすっ飛んで来た

「かのんちゃん、いらっしゃい!待ってたんですよ!!」

私が口を開く前に、はずえクンは、私のバッグをぽいっと海堂君に放り、
腕をつかまえて、リビングに連れて行く
「かのんちゃん、いらっしゃい、待ってたのよ〜!
 ごめんなさいね、もう私達出る所だから、薫と一緒にお昼支度してくれる?」
「はい...あの、おじゃまします...えと...」
私、挨拶もちゃんとしてないじゃんっ!お馬鹿!!
「今日はお世話になります」
「もう、いやぁね、そんな他人行儀な」
いえ、私、この家の人間じゃないし、他人ですから。。。
「あら、いけないっ
 葉末?もう支度できてるわね、いきますよ」
「ハイ、母さん
 じゃ、かのんちゃん、約束ですよ?」
「はい、約束、ちゃーんとおぼえてます」
ふふ、はずえクン、お正月の約束しっかりおぼえてるんだ
そうだよね〜
「約束ですからねっ!!」

そんな話しをしていたら、海堂君がリビングに入って来た
「薫、お母さん達、もう出るわね
 お昼の用意はしてるから、ちゃんと食べて、いい?」
「わかったよ」
あれ?なんか拗ねてないこの人。。。?
「じゃあ、奏音ちゃん、お留守番よろしくね?」
「はい、いってらっしゃい」
「かのんちゃん、いってきます!」
「いってらっしゃい、はずえクン」
ばたばたと、はずえクンと海堂君のお母さんは、
新入生入学準備説明会へと出掛けていった
そう、今日は新入生入学準備説明会
だから、全校生徒は速やかに下校せよ、だったわけ

「あれ、どうしたの海堂君?」
さっきよりも不機嫌。。。はっきりと顔に出てるよ?
「別に、俺よりお前の方が信用があるんだな、この家では」
「うわぁ〜あ、海堂君が、拗ねてる!」
なんだそんな事かぁ、と、笑いが出る
「ああ、そうだよ、拗ねてるよ、悪いかよ?」
「悪くない、悪くない
 お昼ご飯、食べよ?私、おなかすいちゃった」
ホントにこの人は。。。自分のお家なんだから、もっと堂々としてなさいっ

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あきゅろす。
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