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よみもの~中等部編
2 ~kaoru

「ただい」
「かのんちゃん、いらっしゃい!待ってたんですよ!!」
「...ま」
俺の帰宅の挨拶は、葉末の、かのんへの熱烈な歓迎によって。。。
おもいっきりムシ!かよ!!
葉末はかのんの荷物をひったくり、俺に押し付けると、
ワケがわからない、と、言った、いつものマヌケ面のかのんをリビングに引っ張って行った
リビングからは、母さんの黄色い声が上がる
どうやら。。。
この家での俺のプライオリティ。。。人物重要度は『最下位』らしい
仕方ない。。。
俺は自分の荷物とかのんのバッグを自分の部屋へ持っていき、リビングに降りた

「薫?お母さん達、もう出るわね
 お昼の用意はしてるから、ちゃんと食べて、いい?」
「わかったよ」

今日は、学年末試験最終日
そして、午後から新入生入学準備説明会
そのため、在校生は学校に居残る事ができず、
俺は部活も自主練もできずに下校した訳だ
。。。ということで、この都度、めでたく青学入試に合格した葉末は母さんと、
入学申し込み、入学金の納入、学用品、備品の購入、制服の採寸の為、
青学中等部キャンパスへ行く

そして今日は金曜日
明日は学校も仕事も。。。休み。。。俺は部活があるけど
例によって
海堂家菊池家合同、葉末青学合格おめでとう会が夜通し行われる。。。ハズだ
そう、例によって。。。

「じゃあ、奏音ちゃん、お留守番よろしくね?」
「はい、いってらっしゃい」
「かのんちゃん、いってきます!」
「いってらっしゃい、はずえクン」

やっぱり。。。
母さんは俺にじゃなく、かのんに『留守番頼む』って言った
そうか、そうか、別にいいけどさ。。。
「あれ、どうしたの海堂君?」
ふにゃっと笑うかのんの顔
「別に、俺よりお前の方が信用があるんだな、この家では」
「うわぁ〜あ、海堂君が、拗ねてる!」
手放しでけらけら笑うかのんに、つい俺も意地になる
「ああ、そうだよ、拗ねてるよ、悪いかよ?」
「悪くない、悪くない
 お昼ご飯、食べよ?私、おなかすいちゃった」
ふにゃふにゃ笑うかのんを見ていると、俺は拗ねている自分が馬鹿らしくなった

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あきゅろす。
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