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よみもの~中等部編
結局ココにおちつくわけだ

私と桃城君は、駅前のバーガーショップで、軽くお昼ご飯
私は、普通に、チーズバーガーのセットだけど
さすが。。。思春期男子の桃城君は。。。何個食べてんの?
見てるコッチの食欲が無くなっちゃう

食べてるときは、いつもの桃城君だったけど
また二人で、クソ寒い河川敷を歩く頃には、なんかじめぇ〜っとした雰囲気になった
うんにゃ、じめぇ〜じゃないな、びょーーーーーって、吹雪で、すっごい惨めなカンジ

「あのさっ...この前はすまねぇ...」
「別に、桃城君悪くないし」
つまんない事で言い争いたくないのに、また棘のある言い方をしてしまう私も私だ
「何か俺、一人で舞い上がってたっていうか、その...」
桃城君は、はーーーーっと、大きく息をついて、つんつんの頭をがしっと指で梳いた
「俺、ユカちゃんの事、本当に好きだ
 だから、俺の事、ムシするのだけはやめてくれないか?」
私はずるっ、っと、ズッコケそうになった
お笑い芸人が、スベる時のリアクションそっくりに
「私、ムシしてないよ?
 現に今だって、一緒にご飯食べて、歩いて、ハナシだってしてるじゃない?」
「そうじゃなくて...
 その、俺がユカちゃんのコトを好きだってのを、ムシしないで欲しいって...」
「ハァ...」
なんだかよくわからないけど。。。
必死になる桃城君を見てたら、もっとこの人の事をよく知りたくなってきた

「あのさ、俺がユカちゃんの事を好きなのは、
 その、カノジョにしたいとかそう言う部類の好きだ」
「ハァ」
「けど、ユカちゃんが俺の事、好きってこの前言ってくれたのは...」
「友達として好き」
「だよな?」
「それで?」
何を考えてるのか知りたくて、つい、その先を促す

「うん、だから...好きの種類がちがうってこった、な?」
「はぁ」
「でも、俺、それでもいいんだ
 俺、自分がユカちゃんのカレシになれなくていい...とは、いわねぇ...
 そりゃ...なれたらいいに決まってるからな
 でも、ユカちゃんが俺の事をその、男としてみてくれなくても、
 一緒にいるだけでいいか、って、思ったんだ
 その、友達としてでも、一緒にいられたら、俺、うれしいし」
「何だか良くわからないんだけど...
 そういうのが『特別な友達』ってことじゃないの?」

私、自分で言って、びっくりした
今まで思ってた特別な友達っていうの、漠然としてたけど、
結局こういう事なんじゃないかって気付いた
なんか、目が覚めたっていうのかな?
ソレと同時に、桃城君の顔が、急に明るくなった
「ホントか!?」
「うん、ホント」
「じゃまた、俺ら...」
「そ、だから私、自分が思った事をはっきりと言うね」
「な...なんだよ...」
少し怖じ気づいてる桃城君の顔も面白い

「この前話したよね?私の恋愛観」
「お、おぅ」
「アレね、本当に正直な気持ちなのよ
 だから、コレだけはわかって欲しいの...
 私、別にカノン達のマネがしたい訳じゃない
 でも、妥協はしたくない」
「そうか」
「うん、だから、尽くす尽くされるなんてイヤなの
 けど、困ったときに助け合ったり、
 力になり合ったりするのは、大歓迎よ?」
「おう!」
「だから、私、桃城君には言いたい事は言う
 それが、桃城君の考えるコトとはちがっても
 桃城君だって、同じ
 私にいいたい事、言っちゃっていいよ」
「でも、それでこの前、喧嘩になったんだろ?」
そりゃもっともだ
「ん...でもね、また私達、ハナシしてるじゃない?
 そういうの、やっぱりいいな、って思う
 なんていうのかな?
 理解し合うことは出来なくても、お互いを認めてるっていうのかな?
 ...って、わかりづらいね
 なんか、自分で言ってて、笑っちゃいそうだわ」
そんな私の事を、ゆったりとした笑顔で見ている桃城君のことも、いいな、と思う
「言いたい事いわずに、どんどん、内にこもるよりもいい...だろ?」
「それだ!!
 やっぱ、私達、これからも特別で最強の友達目指そうよ?」

私は、桃城君に自分の拳を突き出す
前に桃城君が私に拳を突き出したように
「ま、当面の目標はそれでいいか」
桃城君はそう言いながら、私の拳に、こん、と自分の拳をあわせる
「俺としちゃ、ソレ以上を目指したいけどな?」
ニッと笑う顔も、すごく強気でいいな
「それはどうだろね?」
「どうだろな?」

ふたりで、へっへっへっ、と笑った

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あきゅろす。
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