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よみもの~中等部編
12 ~canon

とく、とく、とく。。。

海堂君の心臓の音
いつまでも聴いていたい
もう、なにもかもなげだして
ただ、この音に包まれていたい
でも
そんな私なんて、海堂君はいらない

弱い私
酷い私
狡い私

それでも、海堂君はこうしていてくれる
今だけは。。。


「俺がこのチョコレート捨てて、少しでもお前の気が晴れるんなら、全部捨てる」
「だめっ!!」
「どうして?」
「だって...だって...」
だって、私、同じだもの。。。わかるもの。。。
キモチを無視されるのは、辛い
「ほらな?お前、いい人ぶるとか自分で言っといて、結局、そうだろ?
 もったいないとか、そんなんじゃねぇだろ?
 多少の違いはあっても、みんな自分の事だけ考えてるもんだ
 こういうのな、ヤキモチっていうんだ...」
海堂君は私の頭に手をポン、と、のせて、真顔で私の顔を覗き込む
「知ってたか?」
「バカにして...」
その表情が、フッと緩む。。。私の大好きな海堂君の顔
「もう笑えるな?」

好き
どうしようもない程に

ねぇ。。。
どうすれば
あなたよりも強くなれる?
どうすれば
あなたにすがらなくても
立っていられるようになれる?

でも
その前に
その日が来たら

どうすればいい?

私きっと
あきらめるなんてできないよ?
もう
それほどに

海堂君が好き

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あきゅろす。
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