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よみもの~中等部編
コッチがホントのメインディッシュ?

階段を下りきった所で、海堂君に出会った
海堂君は、あ...と、少し気まずそうに、俯き加減になる
「待ってるよ?」
ちょっと意地悪だったかな?
海堂君は、超不機嫌な低い声で、おぅ、と、つぶやく

玄関を出た所で、桃城君の姿が見えた
よぅっ!と、片手を上げて、ニカーーーーッと笑う
まったく。。。対照的な二人

桃城君と私は、ゆっくりと歩きながら校門を出た
まだ校内に残っている生徒の視線をちらちらと浴びたけど、大して気にならない
カノンが。。。あんなに人目を気にするのは、去年の事があったからかも。。。
だってそれまでは、海堂君のお弁当のおかずをかすめ取ったり、
普通に校内を並んで歩いてたもんね。。。日直当番で。。。

「さっきね、階段の所で海堂君に会ったよ?」
桃城君は、にや〜りと、笑う
「やっぱりな...
 いつもなら自主練して帰るヤツが、部活が終わってからさっさと着替えるから、
 そーじゃねぇかとは思ってたんだけどな
 ...な?覗きにいってみないか?」
まったく思春期男子の妄想タレまくりの顔しないでよね。。。
「ばぁ〜か、人の恋路を邪魔するヤツはブタにド突かれてあの世行きよ」
「それ、ブタじゃなくてウマだし」
「わざと言ってんの、‘ウマく’ツッコミなさいよ」
「ちぇ〜っ、厳しいなぁ、厳しいぜ」
まだまだだね、桃城君っ
「キミは私とバレンタインデート、アッチはアッチで楽しくやってる
 ね?それでいいじゃない?」
「おわっ!?デートなのかっ!?!?
 マジかよっ、ユカちゃん、それってマジ???」
ありえないくらいのリアクションをかえしてくれる桃城君が面白くて、
ついつい私も調子に乗ってしまう

「そ、デートしようっていってんだから、ちょっとは気を使ったらどうなの?
 それにしても...私の豊かな想像力を持ってしても、
 あの二人の『楽しくやってる所』なんて、まったく想像できないんだけどねぇ、あははっ」
一瞬だけ桃城君の表情が固まったけど、すぐに、へろ〜んって、鼻の下が伸びた
「え?ユカちゃん、それってどう言うイミぃ〜?
 楽しくヤッてる?って〜〜〜、ひひっ」
「オイコラ...思春期男子
 そういういかがわしい妄想は、乙女の前では厳禁よ?
 私じゃなかったら、もう口もきいてもらえないレベルってこと、よく覚えときなさい」
「了解致しました、お嬢様
 それでは、せっかくのデート...何かご馳走をさせていただきたく思いますが?」
「よろしい、じゃ、缶ココアを所望する」
「承りましてございますっ」
胸に手をあて、恭しくアタマを下げた桃城君が、下を向いたまま、盛大に吹き出した
つられて、私も大笑い

桃城君が自販機で缶ココアを買ってくれている間に、バッグからチョコを取り出す
「ハイ、友チョコ♪」
一瞬、きょとーーーーーーん、となったけど、直ぐに拗ねた顔を向ける
「ひでぇなぁ、ひでぇよ...」
「あれ?いらないの?じゃあ、コレはしまっておくわ」
「うわあぁあっ!いるっ、くださいっ!
 今日俺がどれだけ、このチョコを楽しみにしてたか、ユカちゃんわかってんのかよ?」
「わからんね」
笑いながら、ホレ、とチョコレートを渡す私
そして、眉をしかめて受け取る桃城君
「ひでぇ...俺、せっかくユカちゃんにいろんな情報流したり
 結構尽くしてんのによぉ...」
「そりゃ友達だからでしょっ」
わざと言ってみる
。。。あれ?どうした?その顔。。。
私はてっきり、桃城君がいつもの調子でふざけてかえしてくれると思ってた
それなのに、なんですか、その複雑ぅな顔は。。。

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