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よみもの~中等部編
乙女達の戦いははじまった

「ね...バレンタインなんだけど...」
クラスでも中心的な田中さんが、お昼時間に声を掛けてきた
担任とクラスの男子に義理チョコを贈るかどうか、ということらしい
「私はいいよ?一口のせてね」
カノンはにへにへ〜と笑う
もちろん私も。。。
うん、もしかしたら、またあの『海堂君クッキー』がもらえるかもしれない
。。。なんて、ちらり、どころか、真っ先にアタマに浮かんだ事は、
自分の心の中だけにしまっておこう

田中さんが上手くまとめてくれたおかげで、
1月末には、担任&クラスの男子へ送るチョコの予算まで決まった
そして、買い出しは。。。
私とカノン、田中さん
そしてもう一人。。。児玉。。。
コイツ、どのツラ下げて、カノンの前にでてくんのよっ!
私は忘れてないんだからっ、アンタ達がカノンにした仕打ちの数々をっ!!!
しかし、ここでヘンな態度をとって、2年7組の女子の輪を崩すのも嫌だし
この児玉って女は、田中サンとも仲がいい
表面上だけは、知らないフリしといてあげるっ
でも絶対、私は許さない
ここでカノンを守るのは私よっ!!ふんっ!!!

。。。って。。。
いつもの事ながら。。。
カノン、わかってんの?
にへ〜〜〜〜と、笑いながら、買い出し楽しみだね〜とか言ってるし
アホだ、絶対、アホだ
「早苗ちゃんは?いっしょにいかないの?」
「うん、カレ、あんまりチョコレートとか、甘いモノ好きじゃないから
 ふつうに、おせんべいの詰め合わせ...
 ネットでお取り寄せするからいいんだ〜」
「おせんべっ!?」
私とカノンがいつも以上に、ハモッた。。。
うん。。。だって、ね、わかる、それ。。。
おせんべい。。。といえば。。。
アノ真っ赤な粉を吹いた物体を思い出す
去年のホワイトデーのおかえし、不二先輩から。。。
ふたりして、ふひっ、ふひひひひ。。。と、不気味な笑いが出る
「なに?なんか...おかしい??」
こんな私達に、早苗がちょっと引き気味
「ちがうよっ、ちょっと...ね?由香ちゃんっ」
「そっそそそそそそっ、そうヨ?」
二人して非常にアヤシい

「実はね...」

私は、去年のホワイトデーの事を早苗に話してきかした
「不二先輩、ホント、ハンパなく凡人とは違うね」
早苗の感想は、的のど真ん中を射ている
というか、バズーカで、的ごと木っ端みじんだよ、うん
「で、ソレ、食べたんだ...」
非常に哀れみのこもった声。。。
もちろん!
大量の水とチューブのコンデンスミルクをまるまる一本消費し、全て頂きましたよ
不二先輩の『愛』に涙を流しながら。。。

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あきゅろす。
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