[携帯モード] [URL送信]

よみもの~中等部編
5 ~canon

しばらくして
呼吸も落ち着いてくると、目の前にまずブルーが映った
目の覚めるような青、純白。。。袖口の赤のライン。。。

「何一人で、ヒステリーおこしてんだよ、バカが...みっともねぇ」

低く静かな声に、呼吸だけでなく、気持ちも落ち着きが戻ってくる
「どうせ...みっともない、もん」
レギュラージャージって、トリコロールカラーなんだなぁ。。。
私、なんで今こんな事考えてるんだろう。。。
「まったくだ...オイ、俺のジャージでハナミズ拭くんじゃねぇぞ」
とくん、と、海堂君の心臓がなるのがきこえた
「そんなこと、しないっ、はなして...恥ずかしい...」
抱え込まれた頭が、もう一度ギュッと海堂君のお腹に押し付けられる
「落ち着いたか?」
そう言って、私を解放した
顔を上げると、そこには海堂君の優しい顔
この表情に、静かな声に、いつも自分を取り戻せる
それだけで十分だ。。。今は。。。

「由香ちゃん...ごめんね...桃城君も...」
「私こそ、ゴメン...」
「あ、イヤ...気にしてねぇから...」
声を荒げてしまった事が恥ずかしくて、ちゃんと由香ちゃん達の顔をみることができない
「桃城、行くぞ」
「よしよし、カノンちゃんもユカちゃんも仲直りしたな?
 そんじゃ、俺、行くけど...
 ユカちゃん、今日用事なかったら、部活終わるまで、待っててくれよ
 後でデートしようぜ?」
「なんでっ」
「じゃ、後でケイタイに電話するからなっ」

頭の上でそんな会話が聞こえる
それをききながら、自己嫌悪に陥る

私、最低。。。

[*前へ][次へ#]

5/9ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!