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よみもの~中等部編
2 ~canon

新学期、最初の日
例のごとく本日は、始業式、ホームルームと掃除
明日からは、授業も始まるけど、冬休み明けのテスト
なーーーんか、この学校って、掃除とテストばっかりしてるみたいだぁ
何の為のエスカレーターなんだか。。。やれやれ

それにしても、やっぱりそう見えるのか、と、ちょっとだけ驚いた
実は私には、たぶん海堂君にも『つきあっている』という感覚がない
普通のカップルのように、
一緒にお弁当を食べたり、
休み時間に一緒に過ごしたり、
学校帰りに寄り道したり、
メールしたり、電話したり
お休みの日毎にでかけたり。。。と、
普段からそういう『カレシカノジョらしいコト』をほとんどしない
お互い、ピアノにテニスに忙しいから、ヒマがないといえばそれまで。。。なんだけど
それにしたって、学校でも、ほとんど一緒にいる事もなければ、会話も必要最低限
それなのに?

だからって
海堂君がどう思っているのかわからないけど、私は別にそれに不満はない
目指すものは違うけど、一緒に頑張っていければいいな、と、
その『頑張る力』をもらえる『大切な人』
だから、私にとって海堂君は『カレシ』じゃなくて、
『特別な人』と言う言葉がぴったりだと思う
それがカレシ、っていうんなら、そうなのかもしれないけど
自分の中では、違うと思ってる

確かに。。。その、そういう男女としての『ささやかなふれあい』はあった
でもそれだって、その行為に興味があるから、コトにおよんでみた、ということでもなかった
本当に自然に。。。お互いの気持ちが重なっただけ
これだけは確かな事だと思う
触れることが。。。とても、心地が良かった
触れる事で安心できた
ただ、そばにいて欲しい、抱きしめてくれる海堂君はやさしくて、
その腕にすがっていたくなる、ずっと。。。
「カノン!」
え?
「何、ボケっとしてんのよ」
「あ、ごめん、なんだっけ?」
「だから、お昼どうするの?」
由香ちゃんが呆れ顔でみてる
「えと...今日レッスンあるし、
 購買で適当になんか買って食べようかと思って...」
「海堂君は?」
「ハァ?」
「部活?」
「さあ?あるんじゃないの?」
がっくりとうなだれる由香ちゃん
「ホラ、カノン...掃除行くよ」
ゆかちゃんは、肩をがっくりとおとし、ずるずると箒を引き摺りながら廊下へ出る
なんで、そこで、由香ちゃんが落ち込むのぉ?

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