[携帯モード] [URL送信]

よみもの~中等部編
1 ~canon

あけましておめでとう〜


「カノン、あけましておめでとう〜」
「由香ちゃん、おめでとう〜、メールありがとね」
「どういたしまして〜」

教室の、いいえ、い〜えっ、学校中のあちこちで、おめでとうが飛び交う新学期初日の朝
「由香ちゃん、カノンちゃん、あけましておめでとう」
「おめでと〜、早苗ちゃん...」
私の『その』目線に気付いた早苗ちゃんは。。。
「お正月食べ過ぎちゃって〜〜」
「あは、はは、は...」
ごめん、笑って。。。
でも、ちょっとそれ、見ただけですぐわかるくらいの変化って。。。
かなりヤバいよ早苗ちゃん


「ところで、今年のバレンタインどーする?」
由香ちゃん、気、早すぎやしませんか?
「え?もうそんなハナシするの?」
ほ〜ら、早苗ちゃんもびっくりしてるよぉ
「そりゃそーよっ」
ふふん!と、ふんぞりかえる由香ちゃん
いやいや、なに威張ってんですか?
「今年はねっ!!不二先輩にあげる最後の年になるかもしれないじゃないっ」
「なんで?」
「カノンのおばかっ!!
 わざわざチョコもって、高等部へ行く気!?」
あ、そっか。。。不二先輩、卒業しちゃうんだ。。。
「ダメじゃないだろうけど...ちょっと難しいよね?」
「でしょーーーーーっ」
「でも来年私達も高等部だし、最後の年じゃないんじゃない?」
「ばカノン!気分が違うのよ、気分がっ!!」
「ハァ...
 って、その『バカノン』ってなに?
 マカロンは好きだけど、そのバカノンは頂けないなぁ...」
「もうっ、アンタと話してたら、先に進めないっ」
「なんか由香ちゃんとカノンちゃんって、漫才やってるみたいだよね」
早苗ちゃんのその言葉に、二人して振り向き
「漫才じゃないっ!!」
。。。と、ハモりましたよ、見事に。。。
これじゃ、漫才っていわれても仕方ないって、ハァ

そして、由香ちゃんは早苗ちゃんに、去年のバレンタインの事を話し出した

「で、カノンちゃんのそのトンデモチョコが、不二先輩にチョーウケしたってこと?」
「そーなのよっ!」

いかに印象深いチョコレートを不二先輩に渡せるか、が、ポイントなんだと、
そりゃぁもうっ、力一杯説明してるし
な〜んだかなぁ。。。よっぽど去年の事がひっかかってるに違いないわ、由香ちゃん
。。。まあ、私も例の『激辛ペースト入りトリュフ』があんなにウケるとは思ってなかったけど。。。

そんな由香ちゃんを横目に、早苗ちゃんがぼそっと口を開いた
「トコロデ、カノンちゃんは、海堂君?」
「へ?」
「だから、つきあってるんでしょ?海堂君?」
「あ?」
これは、由香ちゃん
「ちがうの?」
「うぅん...」
そこで悩んでしまう私って、やっぱりヘン。。。なのかも

そこで始業のベルがなって、あとでね、と早苗ちゃんは自分の席へと帰って行った
由香ちゃんは。。。複雑な顔で、私をみてる

[次へ#]

1/9ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!