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よみもの~中等部編
9 ~canon
お風呂から上がって、お母さんに髪の毛を結ってもらい、着物を着せてもらった
ベージュ地に、小梅の模様が散っている、ウールの普段着
帯も半幅で、普通に重ねチョウチョに結ってある
正絹の着物は、やっぱり敷居が高いというか、手入れも大変だし、
汚しちゃったらどうしよう、と、ビクビクしちゃうから、私にはこれくらいが丁度いい
「奏音ちゃんも自分でコレくらいは着付けができるようにならないとね?」
お母さんは、はい、できたわよ、と、帯をポン、と叩いた
「あれ?お母さんは着ないの?」
「お母さん達は台所仕事があるから、着物なんか来てたらやりにくいじゃない?」
「私はいいの?」
「あんたに台所でウロウロされると、それこそ邪魔よ
 それに、あとで初詣、行くんでしょ?
 せっかく彼氏とお出かけなのに、これくらいオシャレしなさいよ?」
「さっきから彼氏、彼氏って...お母さん、それでいいんだ?」
「ま〜た、ヘンな事言い出すのねぇ...彼氏じゃなかったら、何?」
「ん〜〜〜〜〜んん〜〜〜〜、カレシ...なのかな?」
「何言ってんだか...
 もぅ、薫君が気の毒でしょうがないわ、お母さん...
 彼女がこんな『ボケ娘』なんてねぇ...
 あぁ、申し訳なくて...笑いが出ちゃうわよ」
お母サマ。。。それ、酷すぎじゃございません?
「ボケ娘でわるぅございましたっ」

リビングに降りると、海堂君のお母さんもお風呂を済ませたようで
いつもよりおめかしをして、キッチンにたっていた
「あら、奏音ちゃん、かわいいわ〜
 やっぱり女の子はいいわよね〜〜〜」
またそこですか?
「穂摘さん、私、なにをしたらいいかしら?」
割烹着を着込みながら、お母さんはキッチンへ入った
「じゃあ...とりあえず...」

お母さん達は二人で、台所に立って楽しそうに食事の準備をしてる
私はこんなカッコで、ホント、大した手伝いも出来ない。。。
しょうがないので、食卓の椅子に腰掛け、お茶でもすすってよ。。。うぅ、役立たずだ
まだお父さんも、海堂君のお父さんも、起きて来てないのかな?
はずえクンはまだ起きないよね。。。
海堂君もランニングから帰って来てない
ちょっと表に出てみようか。。。
でも今でちゃったら、湯冷めしちゃうかなぁ。。。
ぐずぐずと考えていると、海堂君がランニングから帰って来た
「おかえりなさい」
「...えっ!あ?お前か...」
はぃい〜?
「ヘンかな?」
「え...うん...いい...と、思う」
ぷいっ、と、顔をそらす
「へへっ、ありがと♪」
褒めてもらったと受け取っておくよ、カイドークン

「薫、帰ったの?お父さん達、起こして来てくれないかしら?
 それに、お風呂にも入っちゃって?」
「俺、風呂は、もうちょっと後...クールダウンしてからにする」
「奏音ちゃん、お父さんもう起きてるか見て来てくれない?」
「じゃあ、正信さんからお風呂に入ってもらって?」
そんな会話をしていると、お父さんズが揃って二階から下りて来た
あけましておめでとう!と、えらくさわやかなんですけど。。。
あの日とは大違いだ
それに、なんだか意気投合して、一緒にお風呂に入る、とか言ってるし
やっぱり、一度、酔いつぶれるまで飲んだら『同士』ってことなのかな?

「薫も一緒に入るか?裸の付き合い、いいぞ!?」
海堂パパ、朝からご機嫌だぁ
「え?俺っ!?さっきランニングから帰って来たばっかりだし...
 クールダウン...」
うん、あわててる、やっぱり。。。予想通り、恥ずかしがってるじゃんっ、海堂君
そんで?何がモンダイなんでしょーか、おかーさま??
それにしても。。。お父さんと海堂君のお父さん。。。
「そうか?じゃ、菊池さん、初風呂といきましょう!!」
なんかヘンなテンション。。。
まぁ、仲良き事は善き事かなってコトで、おめでたい

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