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よみもの~中等部編
8 ~canon

「どうせみんな起きてくるのは遅いだろうし、先に朝風呂頂いちゃいましょう?ね?」
「わあ、贅沢ですね」
「智子さん、奏音ちゃん、先に入って?」
「それじゃ遠慮なく、先に頂きます
 奏音ちゃん、お母さんと入ろうか?」
「うん、元旦から親孝行、お背中を流して差し上げまするぅ、お母様♪」
「いいわねぇ、女の子は...うちはもう、年齢的に無理だから、うらやましいわ」
「あら、穂摘さん、こんなのでよかったら、いつでも貸し出すわよ?」
「智子さんったら、そんな事言って...ホントに借りちゃうわよ?」
「あのぅ...お母サマ方?
 私、そんなカンタンに貸し借りされちゃうんですか?」
「奏音ちゃん、嫌なの?かなしいわぁ、私...」
でも、笑ってるしっ
そりゃ、海堂君のお母さんは大好きだし借りられちゃってもいいけど
なんて元旦から考える私って、やっぱりアホの子だわ

海堂家のお風呂は広い
まあ、この家自体が広いんだから、それに見合った大きさ。。。とも言えるケド。。。
「これだったら、海堂君のお母さんも一緒に入れば良かったのにね?」
そういうと、お母さんがアンタ何言ってんの?と呆れる
「奏音ちゃん、アンタ...ホント、どっかヌケてるとは前々から思ってたけど、
 そこまでとはお母さん思わなかったわ...」
「え?なんで?」
「普通だったら、彼氏のお母さんとお風呂に入る何て恥ずかしくてできないでしょ?」
「なんでっ?」
訳わかんない
「ちょっと自分で考えてみなさいよ?」
お母さんの背中をごしごししながら考える私、だけど。。。
「よくわかんないんだけど、なんか不都合、あるっけ?」
「じゃあね、こう考えようか?お父さんと薫君が一緒にお風呂に入ったら
 お父さんどう思うかしらね?」
「さあ?喜ぶんじゃない?
 私、もうお父さんとはお風呂に入れないし?」
「アンタ、ホントバカだわ...」
ハァ。。。と、お母さんは呆れ顔で。。。思いっきり脱力した
「じゃ薫君は?」
「んーーーー...まあ、海堂君の場合、普通に恥ずかしがるだろうね?」
首を捻る私に、お母さんは笑い出した
「ホント、アンタ達って面白いわ
 普通、まるまる一晩、一緒に過ごせば、何かありそうなもんなのにねぇ...
 ま、お母さんは信じてるけど〜」
「ウソばっかりっ」
そう言って、私の背中をごしごしこすり、お湯をかけた
「はいはい、あまり長風呂するわけにはいかないから、さっさと出ましょっ」
「な〜んか、スッキリしないなぁ...お母さん疑ってる?」
「疑ってない、だって、何もないから、お母さんと平気で一緒にお風呂に入るんでしょ?
 それくらいわかるわよ」
「え?そうなんだ?やっぱり疑ってたんじゃんっ」
その問いには笑って答えてくれなかったけど
多分、お母さんは気付いてる。。。本当に『何もない』なんてコトはなかったって
でも。。。
私は後悔するような事は、してないし、したくない
海堂君は本当に優しくて。。。
この人の事を好きになった自分を褒めてあげたいくらいだよ!
いつかお母さんにも、
この事、教えてあげるね?
今じゃないけど♪

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あきゅろす。
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