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よみもの~中等部編
5 ~canon
「映画、続き観ようか?」
リモコンをとろうとのばした手をいきなり捕まれてびっくりした
「あ...ごめん...」
海堂君はあわてて、とっさにそう言うけど。。。
本当は。。。本音がバレそうで、びくびくしてるのは私。。。
「さっき...ね、言ったけど...」
「あ?」
心配そうな顔
「わからない、って言ったけど、本当は...無理、なんかこわい...」
私は病院で受けたカウンセリングでの事を思い出す
それだけで、指先が冷たくなるのを感じる

「私ね、その...生理、重いから...病院に行くでしょ...
 いろんな人たちをみるの...
 私みたいに、お母さんと一緒に相談に来てるコとか
 お腹の大きなお母さんとか、赤ちゃんが出来てうれしそうなご夫婦とか」
「うん」
「でもね、なかには...
 中には...赤ちゃんできて、困ってる人...いる」


こんなコト、海堂君に話しても、わかってもらえるかどうか自信はない
けど、ちゃんと伝えなきゃ。。。いけない。。。
でも。。。
でも。。。
こんなコトいっちゃって。。。
海堂君、私の事、嫌いになったらどうしよう。。。
。。。どうしよう。。。

ふわりと身体が包まれるのがわかった
けど、怖くて、逃げ出したい気持ちになる
怖い?海堂君が?
ううん、違う、こんな拒否の仕方。。。嫌われるんじゃないかって。。。
嫌われたんじゃないかって。。。それが一番怖い。。。
「何もしねぇ...俺、お前が嫌がる事、絶対にしない」
「ごめんね...」
海堂君はほんとうに優しい
「謝んなよ」
なんで。。。
。。。海堂君の肩に、ぎゅっとしがみついた
「ごめんね...」
「謝る事じゃねぇだろ?」
なんで。。。この人はこんなに優しいんだろう
どうしてこんなにこの人の事が好きなんだろう

おねがい。。。

嫌いにならないで。。。

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