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よみもの~中等部編
2 ~kaoru

「わあ〜、ホントだ!海堂君がおそばをコネてる!!」
キッチンに顔をだしたかのんは、葉末とおおはしゃぎだ
ついでに母さんも。。。
「ね?言ったでしょ?薫は力があるから、こういう事、得意なのよ、ね?」
「得意って...」
俺は口籠る
得意とかそうじゃないとか、まあ、イヤじゃないけど。。。
母さんに命令されて、断れる男なんてこの家には存在しないんだけどな。。。
複雑な気持ちの俺をほっぽいて、葉末はかのんに、ピアノを弾いてくれと、ねだり、
リビングに引っ張っていく
まあ、いつもの事だけど。。。

アイツのピアノを聴きながら、俺はひたすらソバを捏ね続けるしかない。。。
「今日は薫君お手製の年越しソバをいただけるのね?」
おばさん、やけにうれしそうだな?
「へえ、薫君ってスポーツだけじゃなくて、料理も得意なのかい?」
おじさん、関心のしどころがちょっとちがうんじゃ。。。

母さんがソバをチェックする
「もうよさそうね...
 薫、あとはお母さんがするから、葉末と奏音ちゃんとおやつ食べなさい?」
俺は一口大に切ったバターケーキののった皿を押し付けられ、
早々にキッチンから追い出された
あとは、母さんとおばさんが、準備をするんだろう
父さん達は。。。と、頭を巡らすと
早速、酒の蘊蓄大会。。。か

「あ、海堂君、もうおそば、すんだの?」
ピアノの椅子にすわったまま、くるんと身体ごと俺に向き直った
「あぁ...」
「兄さん、かのんちゃんがハリーポッターのDVD持って来てるんですよ!
 一緒に観ましょうよ?」
「はずえクン、2作目でねちゃったから、そこから観ない?」
リビングで観るか、俺の部屋に行くか迷った
が、どうせ夕食がすんだら、大人達は大人達で楽しく過ごすんだろうし
DVDをアッチコッチもって移動するよりも、
最初から俺の部屋の方が都合がいいような気がする
「じゃあ、俺の部屋で観ようか?」
そして、子供グループは、ケーキの皿と飲み物を持って俺の部屋へ移動した

俺達は2作目を観終わり、3作目の途中で夕食の時間になった
夕食には俺製年越しソバ
「海堂君の血と汗と涙の結晶のおそば、ありがたくいただきます」
かのんは、パンパン、と二回手を打ちならし、俺に頭を下げる
「そんなモン、入ってるはずねぇだろ?」
ふにゃふにゃと笑った

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