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よみもの~中等部編
1 ~kaoru
今日で『今年』が終わる
そして明日からは、新しい年

家は、普段から掃除には細かいから
特別、年末大掃除、という行事は発生しないが
なぜか今年は違っている
母さんは、おせち料理の準備に余念がない
父さんは、自慢のマホガニーの棚から、とっておきのお酒を何本か選び出し
葉末は二階のゲストルームと、自分の部屋の整頓
そして俺は。。。

「ほら、薫!ぼぅっとしないで、しっかり捏ねてちょうだいね!!」

ハイ、母さん。。。
俺は、ソバを捏ねてる
年越しソバは、俺製手打ちソバ
がんばってこねてるが、俺の血も汗も涙も入ってない、念のため

今年は特別

「そろそろいらっしゃる頃かしら?」
「もうそんな時間かい?」
「お部屋、準備できてます」

本日、大晦日は
菊池家、ご家族様がいらっしゃる
正確には、大晦日から、新年3日にかけて、3泊4日で。。。
父さんは、おじさんと
夜通し酒を酌み交わし、潰れて床で寝た仲
母さんは、おばさんと
いつのまにか、大親友の風体
そして、俺と葉末とかのんは。。。

と、とにかく、もうすぐやってくる。。。っていうのに
俺製手打ちソバは、まだ出来上がってない
あせってもできないものはできない
こうなりゃ、とことん、やってやろうじゃないか
海堂薫をなめんじゃねぇ

「あ!来たみたいですよ!!僕、お迎えにでますね!」
「お母さんもでるわ」
「父さんもでるよ」

そして残された俺は。。。まだソバをこねている

玄関先で、ざわざわと音と声がする
挨拶もそこそこに、今晩の寝床となるゲストルームへ案内をしているようだ
ちなみに、かのんは葉末の部屋を使う事になっている
そっちは、葉末がいつものように、アイツにベッタリで案内している事だろう

目線を上に向け。。。た、ところで、上の様子がわかるはずがない
ただひたすら、ソバを捏ねるしかない俺。。。

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あきゅろす。
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