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よみもの~中等部編
ザマァミロ

「あれぇ、お前ら、結構仲良くやってんじゃん?」
偶然を装って。。。って、その必要もないんだけど。。。205号室に顔を覗かせる
「おっ、桃城、いいとこに来たじゃん!コイツ、カノジョいんのか?」
いきなり、切原のなんだか焦ったような顔が目の前に出現した
コイツ。。。と、切原が指差した先にいるのは、いつも通り仏頂面の海堂
「あぁ?カノンちゃんのことか」
「マジか?いんのか?でも写真も持ってねぇんだぞ?どんなコだよ?」
なに必死になってんだか。。。
「カノンちゃんの写真か?
 俺、持ってるぞ?あ、動画もあるけど観るか?」
「なっ!?」
オイオイ、海堂、焦るな、慌てるな
お前のことだ、どーせ、動画どころか、写真の一枚ももってねぇんだろ?
笑いたい気持ちを抑えて、努めて平静に振る舞う俺って、すげぇ
「ケイタイとって来るからちょっと待ってろ」
待ってろ、っていってんのに、切原はひょこひょこと俺のあとについてくる

自分の部屋に入ると、伊武の所へ来ていた神尾が切原に噛み付いた
「なにしにきたんだよ?」
「なんか、桃城が海堂のカノジョの写真持ってるって言うからな!」
神尾の険悪な雰囲気をまったく感じてないのか、やけに人懐っこい笑いとしゃべり方に、
伊武はともかく、神尾は呆気にとられたようにつぶやく
「何だコイツ?」
「お前らも見にこいよ?な?俺の部屋に行こうぜ?
 柳生先輩もいきましょうよ、ね?桃城、早くしろよ」
にんまりと笑い、俺を急かす

「早く見せろよ」
「あわてんな、って」
切原のヤツ。。。まったく堪え性がねぇなぁ。。。
「ホラ、コッチのコ」
「なんだ...結構フツーじゃん...」
まあ、かわいい部類だけど、騒がれる程ではない、もんな。。。
海堂と。。。カノンちゃんには悪いけど、そりゃ的確だな。。。

なんだかんだ言って、海堂だって気になるらしく、俺のケイタイを覗き込む
「あーーーーーーーーっ!!!
 テメエっ、なんで杏ちゃんの写真なんか持ってんだよ!?」
横から覗き込んだ神尾が大声をあげた
「別にいいだろ?二人ともかわいかったんだから
 あとでお前にもこの写真転送してやるよ」
まぁ、神尾にとっちゃこれだって、お宝写真だよなぁ。。。わかる、わかる
だけど、橘お兄様には気をつけろよ?
「カノンちゃん...いいよな、自慢できるようなカノジョがいてさ...
 っていうか、この前は違うって言ってなかったっけ?
 ま、別にいいんだけど...それにしても普通は自慢なんかしないよね...
 でもまあ、わかるけどさ、その気持ちも...
 それにしても、もったいないよな...だいたいさ...」
オイオイ、伊武。。。お前、クチのきき方に気をつけた方がいいぞ?
ホラ、海堂がぶっすりとした顔向けてんぞ?
「ああ、先日の...」
ありゃ?柳生さんまでついてきちまったか
部屋に入ったときは、別に興味はなさそうだったのにな。。。
。。。!!
なんでカノンちゃんの事知ってるんスか!?
「柳生先輩、知ってるんっスか?」
「ええ、切原君、以前お会いした事があるんですよ...
 少しお話もしましたが、なかなか、かわいらしい方でしたよ?」
それはいつのハナシだ?

俺のケイタイは、部屋の中にいる。。。て、なんだ?この人だかりは!?
その大勢の手から手へと渡っていく
はぁ。。。ま、これで海堂も言い逃れもできなくなるな?
ザマァミロ

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あきゅろす。
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