[携帯モード] [URL送信]

よみもの~中等部編
canon~prologue
私立青春学園 中等部
今日から、私が通う学校
校庭のそこここに植えられた桜は、満開はすぎてしまって、明るい緑色の柔らかそうな葉っぱも出ている
薄ピンクと黄緑色のコントラストがいいな、と思う
ここでひとつ、文学的なセリフでも出てくればいいけど
あいにくと、豊富なボキャブラリーなるものを持ち合わせていないのが残念だ

私 がこの学校を受験しようとおもったのは、小学校5年生の冬のこと
正確には、ピアノの先生が私の両親と相談して『受験させられた』
。。。というか、まあ、自分でも
『あ、じゃ、そうします』って納得したから、
受験しようとおもった、なんて偉そうなことをいってみた
中学受験組としては、非常に遅いスタートで
既に出遅れてる感たっぷりだったけど
幸い、学校の成績はそんなに悪くなかったし。。。というか、良い方だったので
入試対策の塾に通って、合格を勝ち取ることができた

こういう話をすると
なぜに『ピアノの先生』なの?って、大抵、疑問に思われる
実は、私のピアノの先生が、 青春学園(略して青学)の音楽の教師で
ついでに、お母さんの大学の先輩らしい

もともと、ピアノは、お母さんから、みっちり、がっつり叩き込まれたけど
お母さん曰く、自分の子供に教えるのって難しいわ、って、
「このままだと、私が奏音の才能をつぶしてしまうから〜」
なんて、適当な 理由をつけて、岩崎先生のもとへと修行に出した
。。。なんていうと、これまた、語弊があるけど
確かに、お母さんのレッスンは厳しいってモンじゃ なかった
このまま続けてたら、きっとピアノを嫌いになってたと思う、いや、絶対なってた
だって、ホントに恐ろしいんだよ!
たぶん、鬼よりも恐ろしい。。。鬼にあったことないけど、絶対そうだ!断言できる

実は、岩崎先生といえば、わりと有名なピアノ教師で、いままで何人も優秀な音楽家を育てている
その先生がなんで、中学校の教師をされているのかは、私にはちょっとよくわからないけど
どうやら、「教えること」が、とても好きなんだろうな、という気がする
そしてそういう先生だからこそ、
私も、ほかの生徒さん達も、先生のことが大好きなんだろうな、と、思う

先生は青春学園の合唱部の顧問、指導者として、合唱コンクールでも良い成績を収めているのと同時に
「岩崎門下」という部活の顧問でもある
私のように先生の弟子として、放課後にピアノのレッスンを受けている生徒は中等部、高等部に数人いて
部活という形式からはちょっとはみ出て るカンジだけど
丁度、運動部がナントカ大会に出場するような感じで
門下生を「青春学園の生徒」として音楽コンクールへ出場させている
それなりに成績を残してきているので、学校側も、悪い気はしないのでしょう、まあ、私立だし
いままでは、月2回程のレッスンを観てもらってた私だけど
この春、晴れて『青春学園♪岩崎門下生』としての第一歩を踏み出すこととなったのです!!
ははは、ちょっとカッコいいかも

トニモカクニモ、
音楽家を目指すのであれば、もっと実力、実績のある先生にレッスンしてもらった方が良いに決まってる、
。。。ってことくらいは、私にもわかる
もし、青学に入学できれば、今まで以上にレッスンをみてあげられると言われて
「あ!それってスバラシい提案ですねっ」って、嬉々としてしまう家族のノリ
なにか間違ってない?
ながくなってしまったけど、こんな事情を持って、入学してきた私
中学生活が楽しみで仕方ない


[*前へ][次へ#]

2/132ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!