[携帯モード] [URL送信]

よみもの~中等部編
11 食事の後はお買い物と相場が決まってる

ごちそうさまの後に、まだまだ時間もあった
腹ごなしに、と、おじさんが街を案内してくれる事になった

。。。と、言っても、カノンがどうしても行きたいお店があるんだ、って、
そこに案内してもらう

「どこ行くの?」
「あ...うん、あのね、印鑑を作ってくれるお店に行きたくて」
「印鑑?」
「そう、その場で彫ってくれるの、好きな字」
「へぇ、なんか面白そうだな?」
「お土産にしようと思って...」

オジサンの連れて行ってくれたお店は、いろいろな印鑑の材料があった
大きさも素材も様々
カノンは、龍のモチーフの付いた、1.5センチ四方くらいの小さい翡翠の角印を二つ選んだ
メモ用紙に、彫って欲しい文字を書く
横からのぞくと、一つは『優』。。。優先輩のだね
もう一つには『葉』の一文字が書いてあった
葉っぱ?なに?それ。。。
「みんなも作ったら?そんなに高くないよ?」
「オンナノコハ、フェニックス、オトコノコハ、ドラゴンネ」
「決まってるんっスか?」
ふぅん。。。確かに、ココに並んでるものをみると、そうだね
これなんかは、フェニックスとドラゴンが対になってるし。。。
「私もよく知らないんだけど、そうみたいね?
 彫り方も違うのよ?男の子は、字が浮くように彫るけど
 女の子は、逆で、字の部分が白くなるように彫るの」
「へぇ〜、俺、作ってみようかな?」
桃城君は、そういいながら、もうすでに物色をはじめている
「うん、私が選んだのくらいだと、一文字だけの方がカッコいいから
 桃城君なら『武』か『桃』がいいんじゃない?
 自分の本とか、教科書にね、サインみたいに印鑑押したらカッコいいでしょ?」
「あ〜!わかった、カノンの教科書に押してあるのって、コレなんだ!」
カノンの持ち物には印鑑が押してある
教科書に限らず、ノートや楽譜にも
「由香ちゃんよくわかりました、正解です
 海堂君は?これね、お守りにもなるんだよ?」
「ワタシ、ネギリマショウネ」
おじさまっ、ステキっ♪
買い物の値段交渉は、当たり前よね
「やったー!ホラ、海堂君も作ろうよ?」
「あ...あぁ...」
結局みんなで同じサイズの印鑑を作る事にした
おじさんがウマく値切ってくれたおかげで、随分と安く買えた
。。。って事は、元値って、どんだけフっかけてんのよ、ってハナシ

全部で5つ、一時間半くらいで完成するらしくて、それまでは、また近くをプラプラと散策する
途中、カノンは、店先で売ってるお菓子とか飲み物を買って、おじさんと桃城君とはしゃいでいた
さっきあんだけ食べて、まだ食べれるって、カノンも桃城君も底ナシ!?
「海堂君...」
「何だよ?」
「いいの?アレ?」
「何が?」
「カノンと桃城君、なんかスゴく気があっちゃってるみたいだけど?」
「仲悪いよりいいだろ?」
「ふぅ〜ん...」
それにしたって、なんだかなぁ。。。
フツーは、カノジョが他の男と仲良くしてたら、ヤキモチをやくもんじゃないの?
やっぱり、カノジョとはちがうのかな?

それにしたって、ねぇ。。。
海堂君は、いつもの海堂君じゃない
なんか、すごく穏やか。。。というか、普段学校じゃ絶対見られない表情

[*前へ][次へ#]

12/15ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!