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よみもの~中等部編
10 これがうわさのDimSum

「ちょっと桃城君、食べる前にお料理、ちゃんと写真撮ってよ、記録係でしょ」
テーブルい〜〜〜〜っぱいに並ぶお料理にテンパる桃城君をたしなめる
「あ、わりぃ、ついウマそうなモンが目の前にあって、うかれちまったぜ」
「しっかりしてよねっ」

お料理の一つ一つを写真に撮りながらも、さすが、思春期男子、すっごい豪快な食欲
それに比べて、同じ思春期男子の海堂君は、静かに箸を動かしてる

「トコロデさ、カノンちゃん...コレ...って...」
さすがの桃城君も、そこで箸が止まった
「うん、鶏の爪」
何かモンダイでも?というカノンの顔が。。。コワい
ぜったいカノンの前世は中国の人だ、テーブル以外なら何でも食う
いや、もしかしたら、テーブルだって食べるかもしれない
「食べるの?」
「オイシイデスヨ?」
アンクル タムは、にこにこと笑ってみせる
その人の良さそうな顔に、つい、あ、たべちゃおっかな?
。。。って気には、到底なれない。。。流石に。。。ムリ、コレは
「ま、だまされたと思って食べてごらん、うん」
何の躊躇もなしに、ぱくっと口に放り込むカノン
しばらくもぐもぐしたと思ったら、小さな骨を、口から出した
見るからに。。。指の骨っぽい。。。
「ねぇ、桃城君...ちょっと...抵抗あるよ、ね、普通は...」
「だよな...フツー...」
その私達の会話に気付いたカノンは、次の品に箸を伸ばしながら言い放った
「口の中に放り込んで、くちゅくちゅって食べてね、あとは、プイって骨、だしちゃって」
その、にへ〜とした顔で、結構大胆な事いうのね、このコは
「オイ、海堂、どうするよ」
流石の思春期男子、最強の食欲を誇る桃城君でさえコレ、だ
「どうするって...食うしかねェだろ」
乏しい表情ながら、海堂君が強がってるのがわかって笑える
「うん、さすが海堂君、男前だねっ、そうそう、一気にいっちゃって」
それを、いつもの天然ボケパワーで、煽るカノンもデキル!!
海堂君は、ぷるぷると箸を振るわせながら、一つ『そのまんま』のブツを口に入れた
その様子を、全員が見守る
「あ、ウマい、コレ」
目をぱちぱちさせながら、つぶやいた
「でしょ?」
「ハハハ、カオル、スゴイネ」
アンクル タムも、満足そうに笑う
「マジかよ」
「はいはい、桃城君も男前のトコロみせてごらんっ
 ほらぁ〜、由香ちゃんもっ、食わず嫌いはイケないっ、食文化研究だよっ」
私と桃城君は、お互いの顔をみあわせ、ごくり、と、つばを飲み込み、覚悟を決めた
といいつつ、私は、一番小さい指のさきっちょとおぼしきパーツを、口に放り込んだ
男前じゃなくていいもん、だって、私、男じゃないしっ
それに、女前なんてコトバ、きいたことないもーん。。。ひらきなおりっ
。。。くにゅ、くにゅ。。。あれ?
「あ、ホントだ、鶏のピリ辛煮っぽくて...おいしいっ」
意外なことに、おいしい
見た目はアレ、だけど、これ、おいしいじゃんっ!
と、二口目、行きまーーーーーす♪
「でしょ?コラーゲンたっぷりで、明日はお肌ぷりっぷりだよ〜」
「私としては、お肌の心配よりも、体重の心配したいわ」
「ユカちゃん、俺達食べ盛りの伸び盛りだぜ?」
「そうそう、今日くらいは体重の事忘れよっ、へへっ」
いいや、アンタ、一度でも体重の事考えて、モノ食ったコトあるの?と、ツッコんでもいい?

「カオルハ、オトナシイネ?オイシクナイ?」
「え...いえ、おいしいです」
それにしても、海堂君ってなんとまあ、上品な食べ方
見た目と行動のギャップコンペティションなんてのがあったら、優勝間違いなし、だね
「おじさん、コイツ、チョー無愛想なんっスよ...ってカノンちゃん通訳頼む」
と、始終明るい調子で、食事は楽しかった

モチロン、おじさんの奢りの、北京ダックに、狂喜乱舞した桃城君が、
私に派手に叱られる、という場面もあったけど



デザートは、私はマンゴープリンがお気に入り
桃城君は、ハニーデューサゴー。。。メロンのジュースにタピオカがはいってる
カノンと海堂君はドゥフゥファ。。。うぅむ、どうみても、豆腐。。。
豆腐のくせに、フルーツをのっけて、シロップだと?
豆腐は、鰹節と醤油でしょっ!
その他にも、コレでもか!とデザートがテーブルに並んでて
モチロン、全て美味しく頂きました
結局、会計はオジサンがすませてしまい
カノンがオジサンにブーブー言って、困らせたくらいで。。。
それも、海堂君がウマくカノンをなだめて、事なきを得ましたよ
すごいよ、海堂君
このカノンをうまぁ〜く操縦するなんて。。
それに。。。ぼそぼそと、英語をしゃべってた事にも驚いた
海堂君、奥が深すぎっ

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あきゅろす。
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