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よみもの~中等部編
6 自由行動グループミーティングなのだ

「と言う訳で、カノンの提案した『自由研究課題 食文化』に賛成の人、挙手っ!」
「ハイハイハイ!!俺、絶対賛成!!ぜってぇイケるって、それ!!!」
私のハイテンションにちゃっかりのせられてる桃城君は、
右手をまっすぐ上にあげ、机に身をのりだして。。。そこまで盛り上がらんでもよろしいっ
「だよねっ、桃城君っ!!」
カノンもっ!ガッツポーズしてるし、それも両拳かっ!!
「飲茶かぁ...かぁーーーーっ!楽しみだなぁっ、おいっ!!」
声。。。でかっ。。。
「あっちではね、飲茶っていわないんだよ、ディムサムっていうの」
にへにへにへ〜と、幸せそうに笑うカノン、まあ、いつも通りだけど
「へぇ、物知りだな、カノンちゃんは」
「食べ物の事ならまかせなさい、へへっ」
それにしても、なんなのこの二人は。。。
確かこの前が『お話ししたの3回目』だったから、今日で4回目。。。だよね?
それなのに、このノリ、ちょっと常軌を逸しちゃぁいませんか?

私は、一人静かな海堂君に声をかけた
「海堂君...」
「あぁ?」
低く静かな声でこたえる
「苦労するね...」
「なにが?」
「だって、こんなのがチームメイトとカノジョじゃ」
「別に」
ぶっきらぼう
「あれ?否定しないんだ」
意地の悪い口調になってる自分に気付いた
「何を?」
「カノジョってトコロ」
つい、ニヤって笑ってしまう
「.....」
海堂君は、目をぱちぱちして、私をみてる
よく見ると、きれいな顔してるんだよね、この人
「テレてる?」
「菊池って、そんなヤツだろ?」
表情一つ崩さない
「ふぅん...」
コレってポーカーフェイスってヤツ?
それにしたって、カノジョとかいわれて、
少しは、否定するなり、慌てるなりしてもよさそうなのに
海堂君って。。。よくわかんないなぁ。。。

「オイ、お前ら、いつまで浮かれてやがんだ、とっととレポート書けよ」
静かだけど、凄みのある声で、浮かれてるカノンと桃城君をたしなめる
「はぁ〜い、じゃ、決まりね♪」
それなのに、カノンは全然怖がってない
普通の人なら、ここで、急速冷凍してしまうトコロだ
「ぁあ!?テメェ、エラそうに言ってんじゃねぇぞ、コラぁ」
桃城君は喧嘩口調、まあ、コレは部活見てたらわかるけどね
あ、海堂君の額に『怒りマーク』がみえる。。。気がする
「ホラホラ、二人とも、喧嘩しないっ
 楽しい旅行前でしょー、仲良くしよ、ね?」
あららら。。。
一瞬にして、桃城君と海堂君の間にあった険悪ムードが吹っ飛んだ。。。気がする
ホント、カノンって不思議
あ、もしかして、これって『究極に空気よめてない女』ってやつじゃない?
あまりのボケ具合に、毒気を抜かれるってパターン
。。。何て事を考えてたら、カノンが急にコッチに振り向いた
「とりあえずリーダー誰にする?由香ちゃんでいい?」
「なっ、え?なんで私?」
「なんとなく〜」
あぁびっくりしたっ、私の考え読まれちゃったかと思った
このカノンに限って。。。そんな事はなさそうだけど
にへへへへ〜〜と、またあのお幸せそうな顔を向けると、
急にキビキビした口調で言い放った
「はいっ!由香ちゃんがリーダーでいいと思う人、挙手っ!」
もしかして、それ、私の口まね?
「ハイハイ!リーダー、ユカちゃんでけって〜い!」
コラコラ、桃城君も、調子に乗るなっ!!

それにしても。。。
カノンと桃城君が、二人して手を顔の前でグゥにして『ねー♪』なんてやってる図
全校の、ううん、全世界の桃城ファンに見せてやりたい、やりたいぞ!
きっと、ファンの半分以上は幻滅するコト間違いなし!
テニスやってる時とはまるで別人
ぜんぜんクールじゃない、ただのお調子モン
ま、そこがいいってファンもいるのかもね

ちらっと海堂君をみると。。。
あれ。。。なんだなんだ、その顔は?
初めて見るよ、そんな優しそうな顔
目線の先にあるのは。。。
なるほど、ね
海堂君にとっても、カノンは特別なんだね。。。ふぅ〜ん。。。

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