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よみもの~中等部編
2 旅行まであと一ヶ月ちょい

お昼休みがはじまって、すぐだった

「おーーーーー!いた、いたぁ!!」

隣のクラスの桃城君、言わずと知れた、青学名物男の一人
でっかい声で叫びながら、いきなり教室に入って来た
いつもの事だけど、ホント、よく響く声ですこと。。。

「よっ!カノンちゃんっ!!」

なにぃっ!?
予測に反して、ってどころのハナシじゃないわよ!!
なんで、カノンを『ちゃん』付けで呼ぶっ!?

それにしても。。。
いくら桃城君が青学名物男だと言っても、
日頃から、海堂君に用事だとかナントカで、しょっちゅう出入りしてるから、
いまさら7組の教室に顔を出したくらいでは、誰も気に留めない
けど。。。
今日に限っては、海堂君ムシで、いきなり『カノンちゃん』とやってきたもんだから、
クラス中の視線が私達へ集まった
正確には、カノンに、だけど
一緒にいる私だって、ちくちくするくらい視線を感じる

それなのに、当の本人、カノンときたら。。。
「あのさ、修学旅行の自由行動のグループなんだけど」
「はい?」
いつものボケーっとした調子でこたえる
これって、ボケてるっていうよりも、ノーミソが反応してないんじゃない?
まあ、カノンにそのノーミソがあれば、の話だけどね
「もし、まだ決まってなかったら俺と一緒にまわらない?」
それにしても
「はい?」
桃城君も、何言ってんだか。。。って、えぇ!?
「ホラ、自由行動のグループってクラスまたいだってかまわないだろ?」
「はい?」
だから、カノン、アンタのそのリアクション、どうにかしなさいよっ!
もう、あまりにもじれったくて、つい会話に割り込んでしまった
「ちょっ、ちょっと桃城君?」
「なんだよ、ユカちゃん?」
気安く、人の名前を呼ばないでっ!
って、なんで、アンタが私の名前知ってんのよ!!
「なんでカノンと桃城君なの!?」
「え?だって、どうせ男女合同でグループくつんなきゃいけねぇんだったら、
 気が知れてる方がいいじゃん?」
なんですと!?
私は桃城君から視線を、180度返し、ボケカノンへと攻撃を始める
「カノン、アンタ、いつから桃城君とそんなに親しくなった?」
「さぁ?」
「『さぁ?』じゃないっ!!」
このボケっ!このコトバは、かろうじてのどの奥で止めた
暖簾に腕押し、糠に釘、カノンに。。。うぅん、なんかいい表現ない?
そしたら、新しい慣用句ができあがりそうなんだけどっ
「まあまあ、ユカちゃん、そんなに怒りなさんなって
 いいじゃねぇか、たかだか修学旅行の自由行動グループじゃん、なっ?
 俺とカノンちゃんとユカちゃんと」
なんとまぁ、さわやかに。。。勝手に話をまとめないでっ!
って、言おうと思ったら、いきなり顔をアッチにむけて、大声で叫んだ
「オイ、海堂!お前もまだグループ決めてねぇんだろ?一緒にまわろうぜ?」
教室中。。。ううん、たぶん、両隣三軒ついでに上下の教室には響いたね、この声

そんなカンジで、さくっとグループ完成
私とカノン、そして、青学名物男二名の計四名
コレはけっして、ウワサの類いではない
誰もが知る真実。。。つまり、公認
あったりまえだ、あんだけ大声で、白昼堂々とアナウンスされればね
あ〜〜〜。。。まわりの視線が痛い、痛いぞ

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あきゅろす。
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