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よみもの~中等部編
12 ~canon

シャワーを浴びると、ホントにさっぱりして目がますます冴えてくる
お父さんとお母さんの寝室からでてみると、
海堂君はシャワーを済ませて、私の部屋の前で待っていた
「あれ、先に入ってても良かったのに」
「...いや...だって...」
もじもじもじ、あ、そうか、やっぱり海堂君は海堂君だ
住人不在の部屋に勝手に入るのは気が引けるのかな
ホラ、入って、入って。。。

そんなことない、っていうの、わかってるけど。。。
「ゴメン、いっぱい待った?」
「そんなことねぇ」
ほらね
「4作目、からでいい?それとも、もう一回3、観る?」
あは、我ながら意地悪な質問、だ
海堂君の目が大きく開いて、あ。。。って戸惑ってるのがわかる
「3からね?」
むぅっと口を突き出して、拗ねた顔
「4からでいい」
ぶっきらぼうに言い放つ
「うん、もしハナシが繋がらなくなったら言って?」
「うん」
素直じゃん

ふたりして、ベッドの上に乗り上げて座り込んだ
海堂君はあぐらをかいて、クッションをだっこして背中を丸めてる
私は足をぽーんと前に投げ出して、太ももの上に枕をのっける

最後のシーン。。。
海堂君は拳が白くなるくらい、ぎゅうっと力を込めてるのがわかった
目が怒ってる
どうしちゃったの?
「なんで...」
そのつぶやきは、かなりイライラしてるよう。。。
「海堂君、何か怒ってる?」
「あ?...あ、いや...怒っても仕方ないんだけど
 なんか、酷くねぇか?これ」
「うん...そうだね、すごく理不尽、だね」
ここで怒ってたら、5作目はもっと腹が立つよ
。。。ってネタバレしてもいいモンかどうか。。。
「ちょっと休憩する?もう3時だよ?」
「俺は、まだ平気だけど、お前、眠いのか?」
「なんか眠いの通り越しちゃったみたいで、眠れない」
「母さん達、まだ下にいるのかな?」
「どうだろ?上がって来た様子はなかったけど...
 身体のばしついでに、ちょっと見てこようか?」
「俺も、水欲しいし、一緒に行く」

そして二人で下に降りると
お父さんズは。。。見事に潰れていた
クッションを枕に床に転がってるお父さんズ
その上には、タオルケットがかかってる。。。一応
ブランデーのボトルを見ると、半分以上なくなってる
お父さんズ、明日はきっと起きれないぞ、こりゃ。。。
お母さんズは。。。
うわ、まだ元気に井戸端会議中
「あら、奏音ちゃん、まだ起きてるの?」
「言ったでしょ、今夜は映画オールナイトなの
 お母さん達も、まだ寝ないの?」
「そ、君たちの将来を憂いていたのよ」
「なんだそりゃ?お母さん、もしかして酔っぱらいの人?」
「よかったわね、薫君で...」
なに、その意味深なセリフ。。。
でも、ホント、よかった、海堂君で。。。よかった
「うん」

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あきゅろす。
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